大学ゴルフ授業研究会
※この記事は掲載元(月刊ゴルフ用品界 GEW)の許可を頂いて転載しています。 掲載元 月刊ゴルフ用品界 10月号(見本誌の申し込みはこちらから)

大学の紹介

亜細亜大学は1941年、興亜専門学校を前身校として設立されました。1950年には学制改革に伴い日本経済短期大学に改組、1955年に亜細亜大学を設立しました。1954年には日本で先駆けとなる附属中国留学生部を開設。以来、積極的に留学生を受け入れてきました。 また1988年から5か月間の単位認定型アメリカ留学をスタートさせ13,000人以上を派遣するなど、グローバル人材の育成に取り組んできました。建学の精神「自助協力」に基づき、「多様な夢に挑戦し、アジアの未来に飛躍する人材を育成する」を教育理念とし、現在5学部(経営、経済、法、国際関係、都市創造)と大学院3研究科で、およそ7000人が学んでいます。

授業風景

亜細亜大学のゴルフ授業は昭和60年より開講しています。当初は日の出グランドで穴あきボールや軽量ボールを打つ基本スィングを中心とした実技でした。平成2年には日の出校地に12打席30Yの打撃練習場ができ実球が打てるようになりました。

1日目:ショット練習

この当時は、授業最終回に国分寺のショートコース9Hを実践することをおり入れていました。しかし、平成13年の大雪で練習場は全壊し、現在の集中授業形式になりました。福島県ローレルバレイカントリークラブは平成23年の東日本大震災でクラブハウスが使用できなくなり、群馬県サンコー72に移動し、現在に至っております。

2日目:アプローチ、パター練習

現在の授業は学内で座学3時間、実技(基本スィング)4時間を行い、4泊5日の集中授業を行なっております。1、2日目は基本スィング、アプローチ、パターなどを行い、3日目ショートコース、4、5日目本コースを行なっています。夜は、マナー、エチケット、ルールなどの講義と実技の確認を行っています。 受講生は初心者から経験者までレベルは色々ですので個人に適した指導を行っています。

先生の気持ち

亜細亜大学での体育科目は全学共通科目の中に位置付け、生涯スポーツを考慮し、選択科目で卒業までに8単位を取得することができます。 ゴルフは2単位科目で、1年生から4年生まで4回受講が可能です。2回以上受講する学生はかなり上達し、卒業後も殆どの方は続けているようです。選択科目ということで受講する学生の意識は高く、かなりハードな予定であってもこなして行きます。コースラウンドでの注意点は安全、マナー、エチケット、時間であり、技術、スコアーには余裕ができてから考えることをモットーに行っています。

4,5日目:コースラウンド 男女とも初心者はピンクティより

授業だから、初心者だからは言い訳にすぎず安全、マナー、エチケットを厳守しながら9Hを2時間以内でラウンドすることを重要とし指導を行っています。カートを使用しラウンドを行いますが、コースのつなぎ以外は殆どの学生は歩いています。 初心者は男女を問わずピンクティより打ちOB、ハザード、チョロ、などはピンより150Yより再スタートします。今の技術にあった方法でコースラウンドを学び、楽しむことで次につながることに期待を持っています。授業評価でも(楽しい)、(続けたい)などの高い評価を受けています。

先生の紹介

松林幸一郎(まつばやし・こういちろう) 昭和31年東京都生まれ 学習院高等科卒業 昭和54年東海大学体育学部社会体育学科卒業 昭和54年亜細亜大学教養部 助手 昭和61年亜細亜大学教養部 講師 平成6年亜細亜大学教養部  助教授 平成15年亜細亜大学経済学部 助教授 平成19年亜細亜大学経済学部 准教授現在に至る 3歳よりスキーを始め、高校よりスキー競技に夢中になり現在に至っています。ゴルフは夏休みの2週間ほど高校1年より大学3年まで軽井沢72にてキャディーのアルバイトをし、覚えました。 当初は止まったボールを打って何が面白いのか全く理解ができませんでしたが、いざコースをまわるとボールが飛んだ時の爽快感、アプローチの難しさなど魅力に引き込まれていきました。 現在は用具を使うスポーツで、如何にして用具を上手に使用できるかを指導することに興味を持っています。 担当科目 スキー、ゴルフ、バドミントン、バレーボール、テーマ研究 全日本スキー連盟公認指導員 全日本スキー連盟公認A級検定員 全日本スキー連盟公認パトロール 日本赤十字救急・救助員 専修大学、駿河台大学 非常勤講師 ゴルフ授業担当※この記事は掲載元(月刊ゴルフ用品界 GEW)の許可を頂いて転載しています。 掲載元 月刊ゴルフ用品界 9月号(見本誌の申し込みはこちらから)

大学の紹介

追手門学院は、1888(明治21)年に創設された大阪偕行社付属小学校(現:追手門学院小学校)を源流とし、現在では認定こども園から大学・大学院までを擁する全国有数の総合学園へと発展してきました。 1966年に開学した大学は2学部4学科からスタートし、「独立自彊 社会有為」の教育理念の下、自分の考えをしっかりと持ち、自らの成長に日々努力し、世のため人のためにつくす人材の育成に取り組んでいます。 現在では6学部8学科の文系総合大学へと発展を遂げ、2019年には現キャンパスから2㎞程の所に新キャンパスを整備し、2キャンパス体制でより充実した教育展開ができるよう取り組んでいます。

授業風景

本学のゴルフ授業は、週一回の学期授業(15回)と9月に行う集中授業の形式で行っています。学期授業では、他のスポーツ種目と組み合わせて行っていますので、ゴルフ部分は概ね6回です。 クラス数は年度によって変動し、2017年度は、私が担当する2クラスのみです。集中授業では、学内で4回の授業を行い、その後、3日間、ゴルフ場で行います。 週一回の授業は、学内にあるゴルフ打撃場(約40ヤード、10打席)を中心に行っています。6回のみですので、基礎技術の反復練習に重きを置いた初心者指導を展開しています。特に構えの姿勢についてのアドバイスを徹底して行い、体幹の安定を図るようにしています。 一つの打席を2,3人で共有しますので、学生によるピアサポートが自然に生まれてきます。3回目の授業から、練習の動機付けを図るため、授業終盤に、チーム対抗戦を行っています。正面のネットに当てて点数を競うものです。4回目以降には、ドライバーの打撃練習とテニスコート(オムニコート)でのパッティング練習を行っています。

テニスコートでのパッティング練習風景

9月初旬に実施する集中授業では、2016年度まではショートコースのラウンドが主でしたが、2017年度からは、兵庫県の有馬カンツリー倶楽部様のご協力で、本格的なゴルフコースでの実習が可能となりました。 少人数ですが、ルール、エチケット、マナーを徹底して学び、プレーの楽しさや難しさを体験できる実習を展開したいと考えています。

先生の気持ち

学期授業は、1クラス25~30名ですが、1割程度がゴルフ経験者です。また、野球経験者は、スウィングが安定しており、打撃のコツを掴むのが速いと感じています。 週一回の授業では、6回シリーズの中で、ショートアイアン、ドライバー、パターを一通り体験しますが、特にショートアイアンでのショットを安定して打てるようになって欲しいと思っています。履修学生の中には、授業を通してゴルフに興味を持ち、休日に「打ちっ放し」施設に練習に行く者やコースラウンドを希望する者がいます。 彼らの思いが集中授業のゴルフ実習の履修に結びついて欲しいと願っていますが、残念ながら翌年度の履修登録までの空白期間が長いため、連結が難しい状況です。履修方法の工夫が喫緊の課題であると感じています。

打撃練習の風景

授業が進んでいくと、上手く打てない学生は、積極性が薄れ、打席に立つ時間が短くなります。こうした学生を見逃さず、姿勢、グリップ、スタンス、フェイスの向きなどをアドバイスすると飛ぶようになる。 打球が変わると、私も嬉しくなりますし、学生諸君からは「楽しい」、「もっと上手くなりたい」、「これからも続けたい」というコメントが授業レポートに書かれるようになります。 本学の学期授業では、ゴルフ文化の入り口に立ってもらうことしかできていませんが、集中授業でゴルフ文化に触れ、ゴルフのファンになってもらいたいと考えています。 ゴルフ種目のみの体育実技クラスの構築、Gちゃれ等の学外企画を組み合わせた継続的なゴルフサポート、集中授業の履修者増に向けた工夫など、課題が多くありますが、今後も積極的に取り組んでいきたいと思います。そして、約50年続く追手門学院大学のゴルフ授業のバトンを明日に繋ぎ、今後の発展に貢献できるよう努力していく所存です。

先生の紹介

松井健(まつい・たけし) 1963年新潟県生まれ。早稲田大学教育学部教育学科体育学専修卒業。順天堂大学大学院修士課程体育学研究科修了(体育学修士)。 川崎医療福祉大学大学院博士課程:医療技術学研究科修了(博士:健康科学)。中京大学(実験実習助手)、吉備国際大学(助手、講師)、日本福祉大学(准教授、教授)を経て、2014年追手門学院大学に着任。 基盤教育機構教授、スポーツ研究センター長。基盤教育科目の「基礎体育(実技)」「応用体育(実技)」「体育概論」の他、スポーツキャリアコース科目の「スポーツ生理学」「高齢者スポーツ論」を担当。担当する実技種目は、ゴルフの他、フライングディスク、卓球、ボッチャ、テニスなどである。 体育実技の授業ではチームでのグループワーク手法を用いて履修生のコミュニケーション力を高め、積極的な活動となることを目指している。また、すべての講義系、実技系授業において毎回のレポートを通じた履修生とのコメント交換を行っている。 高齢者を対象としたトレーニング研究や地域貢献につながる取り組みを行っている。また、アメリカンフットボール部の部長を務めている。 所属学会は、日本体力医学会、日本体育学会、日本運動生理学会、日本水泳水中運動学会など。日本水泳連盟理事(科学委員会所属)、愛知水泳連盟理事(医科学委員会所属)。

グラウンドでの打球練習の様子

※この記事は掲載元(月刊ゴルフ用品界 GEW)の許可を頂いて転載しています。 掲載元 月刊ゴルフ用品界 8月号(購読申し込みはこちらから)

大学の紹介

三重大学は、人文学部、教育学部、医学部、工学部、生物資源学部に地域イノベーション研究科を加えた5つの学部、6つの研究科をはじめ、教養教育機構、地域人材教育開発機構、地域イノベーション推進機構、地域拠点サテライト、国際交流センター、総合情報処理センター、学生総合支援センター、国際環境教育研究センター、アドミッションセンターなど、多くの学内共同教育研究施設を擁する総合大学です。 また、附属病院、附属学校園、農場、演習林、水産実験所、演習船勢水丸などの附属施設も充実しています。

授業風景

三重大学では、教育学部の保健体育コースの実技として、「ゴルフ」が実施されていますが、授業開講の関係で、3年に1回の開講となっています。教養教育においては、ゴルフはこのところ開講されていません。今回は保健体育コースの専門のゴルフの授業を紹介させていただきます。 授業は3つの部分からなっています。1つ目はスナッグゴルフを用いて、その成り立ちや方法を学習して、体育館での基本的な練習をします。その後、陸上競技場と野球場を用いて、スナッグゴルフの9ホール(パー36)のコースを設定しラウンドを実施します。

スナッグゴルフのラウンドの様子

陸上競技場のトラック部分をハザード(川か池)、外に行った場合はOBの処置をすることにより、実際のゴルフのラウンドでのルールの勉強となります。2つ目は、グラウンドでのゴルフボールを用いたショートアイアンまたはウェッジの打球練習です。スイング作りやアプローチの練習を中心に授業をします。雨の日は、実験室で弾道測定器(Golf Swing Better Plesio ディテクト製)を用いたショットの測定も実施しています。 3つ目は、大学から歩いて5分のところにゴルフ練習場がありますのでウッド(ドライバー、スプーン等)やアイアン(ミドルアイアン・ショートアイアン)を用いて、打球練習を実施します。 保健体育コースの学生ですので、パワーがあり、時にはゴルフ練習場でクラブを飛ばしたり、ドライバーを折ったりとアクシデントが発生しますが、ゴルフの難しさと楽しさを充分に体験していると思います。

先生の気持ち

教員養成課程の学生を対象としているので、いずれは児童や生徒にゴルフを教える機会があるかもしれないという前提で授業を実施しています。そのため、スイング理論やエチケット、マナーについても授業内容として取り入れて、学生に伝えて行きたいと思っています。 スナッグゴルフは、ゴルフの導入として優れた教材であり、いつでも、どこでも、だれでもの標語通り、小学校や中学校等の学校現場で実施できるものと思います。また、ゴルフでのファーストティープログラムは、子供たちにライフスキルを獲得させるのに有効なものであるといわれています。 学生たちが教員になった時には、是非、ゴルフの授業を学校現場で実施してくれるようになることを願っています。 現状では、ゴルフの開講がカリキュラムの関係で、3年に1回の実施となっています。もう少し開講の回数を増やすことができたらと思いますが、教員養成学部の現状を考えますと縮小はあっても増加はできない状況ですので、現状維持でも大変な状況です。

グラウンドでの打球練習の様子

また、毎週1回の授業ですので、ゴルフコースに行くことができないのが残念です。やはり、ゴルフはゴルフコースでラウンドをすることによって、初めてゴルフの本質に触れることができると思いますので、何とかラウンド体験ができればと思います。 「Gちゃれ」のようなすばらしい企画ができてきておりますので、東海地区でも是非進められればと考えております。 学校教育の場でゴルフを実施していくことは、まだまだハードルが高い状況であると思います。特にラウンドするとなると、大学の授業でもかなり大変な状況で、今後、小・中・高校等の体育の授業で実施していくには、まだまだ壁は厚いと思います。 しかしファーストティープログラムにも示されているようにゴルフは子供たちの教育の側面において大変有効な教材と思います。多くの学校で取り入れられて、世代を超えた交流が進んでいけばと願っています。

先生の紹介

鶴原清志(つるはら・きよし) 1956年福岡県生まれ。1979年筑波大学体育専門学群卒業。1984年筑波大学体育科学研究科(博士課程)中退。1984年名古屋大学総合保健体育科学センター助手。1986年三重大学教育学部講師、助教授を経て、2001年教授。2017年4月より学部長。 専門種目は体操競技。大学では器械運動ならびにゴルフの専門の授業を担当している。ゴルフは30歳前後から始め、継続して実施してきており、東海地区では大学ゴルフ研究会が30年以上継続して実施されており、その幹事を務めている。50歳を期にクラブのメンバーとなり、本格的にゴルフに取り組み、現在HC3となっている。 HCを維持するために、ラウンドと練習を継続しているが、最近は多忙のため中々時間が取れないのが現状である。 研究分野はスポーツ心理学。大学では体育心理学を専門の授業として担当している。専門はメンタルトレーニング、イメージトレーニングであり、選手の心理面のサポートも実施している。 所属学会は日本体育学会、東海体育学会、日本スポーツ心理学会、日本ゴルフ学会である。東海体育学会では会長、日本ゴルフ学会では理事を務めている。また、免許更新講習において、「学校教育におけるゴルフ取り上げ方と活動の工夫」を実施し、ゴルフの理論とともにスナッグゴルフを用いて講習を実施している。※この記事は掲載元(月刊ゴルフ用品界 GEW)の許可を頂いて転載しています。 掲載元 月刊ゴルフ用品界 7月号(見本誌の申し込みはこちらから)

大学の紹介

「首都大学東京」は、石原都知事時代の2005(平成17)年4月に、都立の4つの大学「東京都立大学」「東京都立科学技術大学」「東京都立保健科学大学」「東京都立短期大学」を再編・統合して設置された新しい公立大学である。「大都市における人間社会の理想像の追求」を基本理念としている。 4学部で構成され、京王相模原線の南大沢キャンパスを主に、日野(システムデザイン学部)、荒川(健康福祉学部)の両キャンパスを抱えている。学生定員は1学年1,570名であり、全学で約6,000名強の学生が在籍している。平成30年には学部再編を予定。緑豊かな南大沢の広大なキャンパスには各種のスポーツ施設が整っており、ゴルフ練習場にはバンカーも備えている。

授業風景

本学のゴルフ授業は選択の体育実技のコマで開講され、定員は24名。8打席のドライビングレンジと野芝の陸上競技場、人工芝の多目的運動場を利用して実施しています。 身体運動演習ではスイングづくりとゴルフ文化の理論の理解、スポーツ実習では模擬コースラウンドでエチケット・マナーやルールの理解を中心に授業展開しました。実際のゴルフコースでのラウンドは行っていません。バンカー練習場もありますが、そこまでの技術は求めていません。

本学の授業風景(緒方貴浩先生)

受講生のほとんどが初心者であるため、授業の最初2回は人工芝の運動場でスナッグゴルフの用具を使ってグリップやフェースの向きが分かりやすくなる工夫をしています。クラブを逆に使った逆クラブスイングによって、スイング軌跡や体重移動、ボディターンの感覚を確認しながら基本的なスイングづくりを行います。 ドライバー練習は、陸上競技場でケイマンボールを打っていました。模擬コースラウンドではSWを利用し、ターゲットバードのゴールを目標にショットしていました。雨天時には、体育館でパッティング練習に当てています。

スナッグゴルフの用具で導入

ゴルフ関連の障害を防ぐために、授業の最初に10分間ストレッチングを取り入れ、身体感覚やスイング時の感覚を鋭敏にし、その身体感覚や変容はラーニング・ポートフォリオとして記録していました。

先生の気持ち

以前、首都大のゴルフ授業を担当していた時には、演習では「感覚を大切にしたスイングづくり」を大切にしていました。 特に、インパクト時のスィートスポット感覚、フィニッシュ時のウエイトシフト感覚、スイング全体の快感(打感、打球音、なめらかなスイング、イメージ通りの球筋)などの身体感覚をチェックしながらスイングを作るように指導していました。 それは、これらの感覚を下に、自分自身でアドレスやスイングプレーンなどの修正ができるようにするためです。 また、SWでのボール突き(リフティング)を取り入れて、スィートスポット感覚とインパクトがどちらにずれたかが分かるような鋭敏な感覚を磨く工夫もしていました。これは、パーフェクトショットした時のインパクト感(打感)を覚えてもらうためです。このリフティングの最終目標回数は20回でしたが、なかなか難しい課題のようでした。 授業では、ただ打てるようになるだけでなく、ゴルフを文化として理解することを大切にしていました。 例えば、何故ゴルフ競技では審判がいないのか、ルールブックでエチケットから書かれている理由は何か、ゴルフプレーの2大精神である「あるがまま打て Play the ball as it lies」と「ゴルファーの正直Golfer’s honesty」の意味や重要性の理解、ゴルフクラブの愛称や使い分けかた等についても毎回少しずつ授業内容に取り入れるようにし、「ゴルフ文化コース」として理論と実践の統合を目指していました。 現在、首都大学のゴルフ授業は大学ゴルフ授業研究会の世話人の一人でもある緒方貴浩先生(帝京大学)にお願いし、私は玉川大学で授業をしています。

先生の紹介

舛本直文(ますもと・なおふみ) 1950年広島県生まれ。1973年広島大学教育学部卒、1977年東京教育大学大学院(体育学研究科)修了後、筑波大学体育センター勤務。1981年より東京都立大学を経て首都大学東京。2016年に定年退職後、現在は特任教授としてオリンピックの教育研究に従事。学位:博士(体育科学、1999年筑波大学)。 専門はスポーツ哲学、スポーツ映像研究、オリンピック研究。現在は、「(自称)オリンピズムの伝道師」としてオリンピック・パラリンピック教育への支援やオリンピックの平和運動の一環として人権啓発関係の仕事に従事している。NPO法人日本オリンピック・アカデミー副会長(研究委員会委員長)等を務める。 主著に『オリンピックのすべて』(2008年訳著、大修館書店)等。 所属学会は、日本体育学会体育哲学専門領域、日本体育・スポーツ哲学会(理事)、日本スポーツ社会学会、日本スポーツ学会(運営理事)、日本ゴルフ学会(関東支部副支部長)、国際スポーツ哲学会、国際オリンピック史家学会等。 東京都立大学時代からゴルフの授業を担当。公開講座のゴルフ指導も担当し、公開講座修了生の自主グループ「トカレゴルフ?楽部」の顧問として指導している。現在は、玉川大学の非常勤講師としてゴルフの授業を担当している。※この記事は掲載元(月刊ゴルフ用品界 GEW)の許可を頂いて転載しています。 掲載元 月刊ゴルフ用品界 6月号(見本誌の申し込みはこちらから)

大学の紹介

関西学院大学は、伝道者の育成とキリスト教主義に基づく青少年教育をめざし、1889年アメリカ・南メソヂスト監督教会の宣教師W.R.ランバスによって創立されました。初代学長(第4代院長)C.J.L.ベーツが提唱したスクールモットー“Mastery for Service(奉仕のための練達)”は、関西学院の建学の精神を簡潔に表現するものであり、「社会貢献のためにこそ実力を身につけよ」と解されています。 125年の歴史を持つ本学は、現在、3つのキャンパス(西宮上ケ原、西宮聖和、神戸三田)に11学部(神、文、社会、法、経済、商、人間福祉、国際、教育、総合政策、理工)と14研究科で構成されています。

授業風景

本学における保健体育科目は、1999年度以降「スポーツ科学・健康科学科目」と称し、身体運動や心身に関する分野を学問体系ごとに4つの領域に分類(スポーツ科学、健康科学、体育方法学、余暇生活学)し、講義科目と演習科目を提供しています。 ゴルフ授業は、「スポーツ科学演習」として、西宮上ケ原キャンパスの第2フィールドと近隣の上ケ原ゴルフ練習場を使用して授業が展開されていました。私は2004年度からゴルフ授業を担当し、その後、神戸三田キャンパスの理工学部と総合政策学部の教員からの強い要望もあり、神戸三田キャンパスでもゴルフ授業を展開することとなりました。 その神戸三田キャンパスには、12打席、90ヤードの立派なゴルフ練習場(写真参照)とゴルフアプローチ兼アーチェリー場(150ヤードのショートコース)があり、全国でもこれほど充実したゴルフ施設がある大学はないのではないかと思われます。 しかし、2008年度に人間福祉学部が開設されて以来、私達スポーツ科学・健康科学研究室のメンバーは、人間福祉学部とスポーツ科学・健康科学教育プログラム室を兼任し、ゴルフ授業は、神戸三田キャンパスで開講される「体育方法学演習C」の中で2回ほど実施する程度となりました。
打席が多いため、2名で1打席使用できる充実した授業環境

打席が多いため、2名で1打席使用できる充実した授業環境

先生の気持ち

「授業風景」でも述べましたように、本学の神戸三田キャンパスは、ゴルフ授業を展開する環境が非常に充実しています。また本学院が経営母体となる千刈カンツリー倶楽部も神戸三田キャンパスから近い場所に位置します。先般、池戸秀行総配人から、ゴルフ授業でのコース使用を快諾していただきました。 さらに有馬カンツリー倶楽部の谷光高代表取締役社長からも大学授業のゴルフ充実の為にと「ディボット・スティック」を大量に提供して頂きました。 本学のスポーツ科学・健康科学科目は、一般教養と位置づけてスポーツ科学、健康科学、体育方法学、余暇生活学の4分野から授業科目を提供していますが、現在、神戸三田キャンパスについては卒業要件との関係上、体育方法学のみ提供しています。近い将来、再び神戸三田キャンパスにおいてゴルフ授業(スポーツ科学演習)が展開できるように働きかけたいと思っております。

先生の紹介

溝畑 潤

関西学院大学准教授
溝畑 潤

溝畑 潤(みぞはた・じゅん) プロフィール 1971年大阪府生まれ。1994年日本体育大学体育学部卒業。1996年大阪教育大学大学院教育学研究科(体育生理学)修了(教育学修士)。2010年University of Wales Institute, Cardiff PhD中退(2007年入学)。1999年関西学院大学スポーツ科学・健康科学研究室着任(助手)。専任講師、助教授を経て2008年より関西学院大学人間福祉学部准教授、スポーツ科学・健康科学教育プログラム室副室長。現在に至る。 専門種目はラグビー。1996年に半年間ニュージーランドに留学。その後、数年間短期でニュージーランドに滞在する。ニュージーランド・ラグビー協会公認ジュニアコーチング、LEVEL1(初級)取得。ニュージーランド・ラグビー協会公認レフェリーLEVEL1(初級)、LEVEL2(中級)取得。また、学院留学で2年間(2007年~2009年)英国ウェールズに留学。ウェールズ・ラグビー協会公認LEVEL3(上級)取得。 研究分野は発育発達学。特に子どもの身体組成、運動能力、静的バランス能力(重心動揺)について研究している。所属学会は日本体育学会、日本体力医学会、日本発育発達学会、日本学校保健学会、日本教育医学会、日本健康支援学会。大阪体育学会理事。6月6日(火)武蔵野美術大学構内で行われたPGA井上副会長(武蔵野美術大学特別講師)による授業。 その模様を空からおった。 ※この記事は掲載元(月刊ゴルフ用品界 GEW)の許可を頂いて転載しています。 掲載元 月刊ゴルフ用品界 5月号(見本誌の申し込みはこちらから)

東京経済大学

1900年、国際社会で通用する人材を育成すべく創立された大倉商業学校を前身とする東京経済大学は、「進一層」と「責任と信用」を建学の精神とし、2020年に創立120周年を迎える。前身校の創立者大倉喜八郎は、明治・大正期に日本の基盤となる建設、電気、製鉄、繊維など200以上の企業設立に関わった実業家で、建学以来、実業界に多数の人材を輩出している。 確かな学力と社会人としての基礎を習得するために、現代版読み書きそろばんを習得する「ベーシックプログラム」、専門的な知識や幅広い教養を身につける「学部学科教育」、高度な資格や高い語学力を習得する「アドバンストプログラム」の3層構造の教育と培われてきた伝統で学生を育成している。

東京経済大学特任講師 樋口和洋(ひぐち・かずひろ)

東京経済大学 樋口和洋 特任講師

樋口和洋(ひぐち・かずひろ) 1965年長野県諏訪市生まれ。長野県諏訪清陵高校卒業。順天堂大学体育学部卒業。信州大学大学院修了(工学系修士)。佐久高校(現佐久長聖高校)保健体育科教諭、信州短期大学助手、専任講師、准教授を経て、2013年から東京経済大学経済学部特任講師。総合教養科目として、講義「健康の科学a・b」、実技「スポーツA・B・C」を担当し、実技種目としてはゴルフの他、バドミントン、バスケットボール、トレーニングを指導している。 研究分野は健康科学である。特に健康管理学や身体教育学に興味・関心を持ち、青少年を対象に様々な生活習慣と健康状況を調査、分析し「自発的な健康行動の変容」に向けた教育、指導に必要な基礎研究を中心に行っている。また、健康づくりの有効手段とされる運動やスポーツの動作特性と、それらを実施した際の生理学的応答と主観的運動強度の関係性について研究も進めている。 スポーツは中学から大学までバスケットボール部に在籍し活動していたが、専門競技の指導はバレーボールを高校教諭の頃より指導してきた。 所属学会は日本体育学会、日本体力医学会、日本公衆衛生学会、日本民族衛生学会、日本ゴルフ学会(関東支部幹事)他 武蔵野大学においても非常勤講師としてゴルフ授業を担当している。

授業風景

本学におけるゴルフ授業は、学内で半期毎週一回開講されている「スポーツB(ゴルフ)」(90分15週)と、夏期休業中に3泊4日で実施される学外集中授業「スポーツC(ゴルフラウンド実習)」で構成されています。前者は本学の富岡義志雄教授が、私は後者を同教授と共に担当しています。 武蔵村山キャンパスには約30ヤード、計12打席の屋根付き(打席上のみ)練習場があり、ショート、ミドルアイアンを用いてスイングの基礎練習を中心に行います。とはいえ、殆どが初心者の学生にとっては単調な動作に加え、思ったようなインパクトができないことから集中力が途切れ、モチベーションの継続も困難になります。したがって、ある程度の時間が経過した後に、同キャンパス内にある人工芝グラウンドを使い簡易的なショートホールを設定し、カップにはグラウンドゴルフのホールポストを使用しながらパターでカップインさせるラウンドゲームを行っています。

ナイスショット!

ラウンド実習を実施しているサンコー72カントリークラブ(群馬県)は本コース63ホール、ショートコース9ホールに加え、敷地内には練習場やホテルも完備されています。ラウンドの前後には様々なショット練習が可能であり、移動時間も軽減され、効率が良く密度の濃い実習プログラムが組めています。猛暑の中、広大なコースで受講生は四苦八苦していますが、日毎に意欲を増し、豊かな表情で純粋にゴルフを楽しむ学生の姿が見られます。

いざコースへ!

ゴルフ授業に携わり、東経大では5年目、前任の信州短期大学の頃から数えますと、今年で23年目を迎えます。歴が長いだけで、体系的な指導理論や自ら相応しい技術を身に付けてきたのかという自責の念を抱えながらも、ゴルフを楽しいと感じてもらえる授業作りを目指して常に創意工夫することや、単発的な機会に終わらせず、生涯スポーツの一つとして定着させるための授業を展開するという思いは忘れずに指導に当たってきました。これまで何度かラウンド実習に参加したことがきっかけとなり、受講生達自身が在学中や卒業後に改めて企画、コース等手配し、一緒にラウンドしたことは大変良い思い出となっています。 当たり前のことですが、毎年新しい学生が受講します。その殆どが初心者であることから、同じことを伝えるにしても、どのような伝え方であれば最も感じ取りやすく、理解してもらえるのか、学生の反応を観察しながら試行錯誤する日々です。今後も他大学でゴルフ授業を担当されている先生方との情報交換や研究誌等を通じて多くを学んでいくことは勿論ですが、関係するゴルフ諸団体の皆様方との連携も深めながら本学のゴルフ授業を発展させていきたいと考えています。※この記事は元サイト様(みんなのゴルフダイジェスト)の許可を頂いて転載しています。 http://www.golfdigest-minna.jp/_ct/17069536 ショートパットといえどもカップの横についたりすると、曲がるラインが残る場合は多くある。そういった「切れるショートパット」を確実に沈めるにはどうしたらいいのだろうか。パット研究家・濵部浩一教授に教えてもらった!

曲がるラインは「錯覚」と「違和感」でミスになりやすい

ショートパットでも、スライスやフックなど曲がるラインになってくると軌道についての知識を少々頭に入れておかなければなりません。 まずは下の図を見てください。図1はフックライン。実際のカップの右にある仮想のカップ(青点線)に対してフェースを向けて、マシーンのようなインサイドインストロークでストロークしています。実はこれ、図で見ると簡単そうに感じますが、コースで実際やろうと思うと、なかなかできないのです。その理由は日頃の構え方などからくる「錯覚」と「違和感」にあります。 この「錯覚」と「違和感」について知っておかないと、切れるショートパットをミスする確率が増えてしまうというわけです。詳しく説明していきましょう。

図1.フックラインでカップインするパターン。仮想カップにフェースを向けてインパクトすることが重要

この打ち方は、カップに対してスタンス、肩のライン、腰のライン全てを右に向いて仮想ラインに対してスクェアに振るイメージとなります。しかしながら、普段からターゲットライン(図1の赤点線)に対してスクェアに構えることになれている我々にとって、フックラインで右を向く(スライスラインで左を向く)ことには違和感があり、方向感覚で錯覚を起こしやすいのです。 また、もともと自分自身の構え方や視線の関係でどちらか苦手なラインがある場合、右を向きすぎている錯覚、または左を向きすぎている錯覚を起こすので、もやもやします。

図2。図1と同じフックラインをアウトサイドイン軌道でカップインさせるには相当にフェースを開かなければならず、違和感が生じる

たとえば図2は「オープンスタンスに構えてアウトサイドイン気味に振る癖がある人」がフックラインを入れるパターンです。このようにカット軌道でもフェースが仮想カップを向いていれば入りますが、自身の軌道からすると相当にフェースを右に向けることになります。結果、ラインがわかっていても打つ前にその違和感を強く感じるのでフェースを右へ向けきれずに、下の図3のように打ってしまい、結果外れます。

図3。違和感からフェースを右に向けきれず、左に外してしまうパターン

また、図4のように何とか仮想カップに向かってストロークしたとしてもフェース向きへの意識が低いとフェースを仮想カップに向けきれなかったり、もやもやからインパクトでゆるむなどした結果、フェースがクローズとなり、結果、大きく左に外れます。

図4。軌道は仮想カップに向かって振るがフェースがクローズなのでこれも外れる。

ターゲットラインに対してスクェアに構え、フェースだけ仮想カップに向ける

では、どうしたらカップインさせることができるのでしょうか。ズバリ、図5のようにターゲットラインに対してスクエアに構え、フェースの向きだけ仮想カップを向けるやり方がおすすめです。あたかもストレートなラインを打つかのようにターゲットに対し真っすぐ構え、フェースだけ右を向けるわけです。

ターゲットに対しスクェアに立ち、フェースだけ仮想カップに向けて真っすぐ打つ

この方法は最初だけ違和感がありますが、慣れてしまえばもっとも簡単な方法なのでぜひ試してみてください。スライスラインの場合はこの逆となり、フェースを左の仮想カップに向けるだけです。

図5。ターゲットラインに対して正対してフェースだけを仮想カップに向ける

大切なのは、このセットアップをしたら、ストローク(=軌道)、距離感(=タッチ)、ラインなどはもうあれこれ考えてはいけないということです。 「ストローク」の練習はコースに出る前や練習グリーンでやっておいてください。軌道を真っすぐにすることより毎回安定して同じように振ることが大切です。そうすれば自然と同じタイミングとなり芯で打つ確率も上がります。 「距離感」はアドレス前の素振りで体得(=感じる)しましょう。アドレスに入ったら距離感(タッチ)を頭で考えません。 「ライン=仮想カップ」はアドレス前に読んでおき、ストローク直前は仮想カップにフェースを向けたら、あとは打つのみ。迷いながら打っても入りません。 つまり、アドレスに入って、打つ直前、そしてストローク中、頭に意識するのは……「フェースの向き」のみ。これが超重要なのです。※この記事は元サイト様(みんなのゴルフダイジェスト)の許可を頂いて転載しています。 http://www.golfdigest-minna.jp/_ct/17065901 マレット、ネオマレットなど、ヘッド重量が重い、あるいは総重量があるパター。これらのパターは上りでショートしやすく、下りではオーバーしやすいとおなじみパット研究家・濵部浩一教授は言う。それってどういうこと? 詳しく解説してもらった。

重いヘッドのパターほど「重力」が悪さをする

ヘッドバランスが重い、または、総重量が重いパターは、上りのショートパットでショートしやすく、下りではオーバーしやすくなります。なぜか? それはずばり、重ければ重いほど、重力の影響を受けるからです。図を見ながら解説しましょう。 上りのパットをする際に、ヘッドやパターそのものが「重い」場合、図のように重力の関係でバックスイング(B.S)が普段より自然と大きくなるのですが、慣性モーメントの影響から動き出したヘッドを止めることも難しく、切り返しでも普段より大きな力を必要とします。 何より、ダウンスイングからフォロースルー(F.T)は重力に反してヘッドやパターを動かすことになるので、自然とストロークが減速気味となり、フォローも出にくくなります。 だから重いヘッドバランス、総重量が重いパターは上りでショートしやすくなるわけです。

下り傾斜では、ダウンスウィングでヘッドが必要以上に加速してしまう

下り傾斜は全くの逆で、バックスイングが引きにくくなり、これはまあいいとしてもダウンスイングでヘッドが必要以上に加速してしまうので、フォロースルーが自然と大きくなります。

【図2】下りのパターはダウンスウィングで必要以上い加速し、フォロースルー(F.T)が大きくなりやすい

だから重いヘッドバランス、総重量が重いパターは下りでオーバーしやすくなるんです。 この重力から受ける影響を知ったうえでストロークするのと知らないでストロークするのとでは大きな違いがあります。 マレットやネオマレットは、ブレードタイプのパターよりヘッド重量や総重量が重いので、平地においてもフォロースルーでヘッドが出にくいデメリットがありますが上りだとそれが平地より大きく出て、ヘッドの加速感が出にくくなり、下りだと逆に自然とヘッドが加速してしまうので、これらがジワジワと自身のセンサーを狂わし、タッチが合わなくなるのです。 この重力の影響はほんのわずかなのですが、確実にあります。また、元々の立ち方、構え方が右足体重か、左足体重かによってもその影響に差が出ます。 ただし、10ヤード以上のロングパットでは全体としてストロークが大きくなるので重力の影響は相殺されます。2ヤード前後の距離はストロークが小さいため、重力の影響を大きく受けます。また、二段グリーンの下からなどで傾斜が3度以上のきつい場合は自然と右肩下がりの構えとなり、重力の影響が大きく出て、上りでショート、下りでオーバーしやすくなるのも覚えておいて損はありません。

マレット・ネオマレットは軸足がカギ

ではどうすればいいか。対処方法をよくある上り傾斜2度程度の2ヤードのショートパットを例に解説しましょう。 まずは左足体重にし、傾斜は無視して地球に対して垂直に立つイメージでアドレスします。テークバックも傾斜に沿って引くのではなく、傾斜は無視して、地球に対して水平、あるいは少しだけ上方に引いてあげましょう。 そうすると、重力の影響が収まり、ダウンスウィングでヘッドがスムーズに出てフォローで減速しません(【図1】青ラインの軌道)。ただ、やりすぎると上から打ち込むようになりボールが弾んでしまいますので、あくまでボールの伸びとヘッドの動きを感じながらトライしてみてください。 下りは逆に右足体重気味にするとフォローの加速を抑えられますが、テークバックでダフらないように気を付ける必要があります。また、下りで打ちすぎない方法としては、以前記載した1㎝テークバックの方法がありますので参照してください。※この記事は元サイト様(みんなのゴルフダイジェスト)の許可を頂いて転載しています。 http://www.golfdigest-minna.jp/_ct/17069532 日夜パットに関する研究を続ける動作解析の専門家、日本獣医生命科学大学の濵部浩一教授。今回は、「ショートパットを入れるには、スウィング軌道は“関係ない”」と断言。そんな馬鹿な!? 教授、一体どういうことですか?

ショートパットはフェースの向きを「維持」することが大切

ショートパットをカップインさせるために大切なのは、マシーンのような振り方(ストローク)を目指すことではありません。ヘッド軌道はさておき、ボールに当たる瞬間のフェースの向きが重要なんです。さらに細かく言うなら、「インパクトと球離れするまでのコンマ何秒かの間、フェースの向きを維持」させることが“超”重要です。 ショートパットを苦手としている人の大半はストロークに迷いがあって毎回違う(再現性の低い)打ち方をしたり、フェースの向きへの意識が薄い人が大半です。 詳しく説明しましょう。下の図をみてください。 A、B、C、DはそれぞれA=イントゥイン、B=ストレート、C=アウトイン、D=インアウトの軌道を表しています。一見、A、Bはカップイン率が高く、B、Cのカップイン率は悪そうですが、ショートパットの場合、A、B、C、Dすべて、100%、ど真ん中からカップインします。なぜでしょうか? それは、ショートパットの場合、軌道が多少アウトインやインアウトであっても、インパクト時にフェースが向いている方向にボールが転がるという特性があるからなのです。 これがロングパットになり、ある程度ヘッドスピードが出てきた場合は、ベクトルの作用を受け、振った方向へボールが飛び出そうとしますが(たとえばアウトインならボールは左へ飛び出そうとします)、ショートパットではインパクト時のヘッドスピードが遅いうえ、インパクト直後の球離れも早いので、軌道による影響はまったく気にしなくてOKなのです。

「データの気にしすぎ」がカップイン率を下げている!?

ですので、ショートパットが入らなくて悩んでいる人は、仮にヘッド軌道測定器などで自分の軌道がAやBでなかったとしてもまったく問題ありません。自分の軌道を「正しいといわれている」AやBのマシーンのような軌道に矯正しようとするあまり、毎回違う不安定なストロークとなるのでは意味がありません。 大切なのは、自分が自信をもってスムーズに振れる打ち方をすることです。それにより、毎回同じように振る。ですから、若干のアウトサイドイン、若干のインサイドアウト、どちらであったとしても毎回同じように自分流を再現して打てるのならそれでOKなのです。 それよりも、フェースの向いている方向にボールが転がることを理解して、そのフェースの向きを維持すること強く認識しましょう。あとはその向きさえ合っていれば、ショートパットは、それで確実に入ります。 以上をまとめると、こうなります。 1) ショートパットでは軌道やタッチよりフェースの向きが超重要 2) 軌道は再現性が高ければ、多少のカットやインアウトにはこだわらない 3)きちっとアドレスで狙ったところにフェースを合わせること 4)ボールに当たり負け(=インパクトの衝撃でフェースの向きが狂うこと)してフェースを開いたり、インパクトをゆるめてフェースをかぶせたりしない。インパクト直後のフェースの向きをそのまま維持する意識を強くもつ。 4)のフェースの向きをコントロールする打ち方については、「大学教授の大発見!パターを「12mm」浮かせて打つと入ります」で記したように、下からこすりあげるようにストロークするとフェースをスクェアにコントロールすることができ、またインパクト直後に当たり負けもしません。記事にあるように、こすりあげることにより、インパクトでヘッドが12ミリ程度浮くので、転がりもよくなります。 大学教授の大発見! パターを「12ミリ」浮かせて打つと、入ります スクェアにインパクトでき、当たり負けせず、転がりもいい。トリプル効果が期待できるので、ぜひお試しを!

パットは科学だ! 大好評・濵部教授シリーズ

上りでショート。下りでオーバー。原因は「腕前」じゃなくて「重力」だった!? 【濵部教授のパットの授業】 “13フィート”でもお構いなし! パットは「下り」だけ注意すればいいんです【大学教授のパットの授業】※この記事は掲載元(月刊ゴルフ用品界 GEW)の許可を頂いて転載しています。 掲載元 月刊ゴルフ用品界 4月号(購読申し込みはこちらから)

中央大学

「中央大学は、1885(明治18)年、18人の若き法律家たちによって「英吉利法律学校」として創設された。 創立者たちがこの学校を設立した目的は、イギリス法(英米法)の長所である法の実地応用に優れた人材を育成するために、イギリス法の全科を教授し、その書籍を著述し、その書庫を設立することにあった。 現在、法学部、経済学部、商学部、文学部、総合政策学部(多摩キャンパス)、理工学部(後楽園キャンパス)の6学部があり、文学部は国文学、日本史学、西洋史学、哲学、社会学、教育学、心理学専攻など13専攻ある。1976年に多摩キャンパスに移転し、広大なキャンパスに多くの体育施設を有する。ゴルフ練習場もハンドボールコート1面を改修して建設。5年前に打席上に屋根を設置した。2016年「中央ビジョン2025」を発表して今後の大学方針を示した。

中央大学教授 森 正明(もり・まさあき)

中央大学 森 正明教授

森 正明(もり・まさあき) 1952年福岡市(博多)生まれ。1976年中央大学文学部社会学専攻卒業。 1978年順天堂大学体育学部大学院(体育社会学)修了。 現在、中央大学文学部教授。これまで学友会総務部長(課外活動の責任者)、学長専門員(スポーツ振興)など担当。2017年4月より学生部長。 大学から始めたラグビーに青春をささげリオ大会からオリンピックの正式種目になった7人制ラグビーは、1976年から10数年全日本7人制ラグビー大会の準優勝時代に選手経験ができた。 ゴルフは、43歳でオーストラリアに留学する際40の手習いで始めた。HC32でプレイを始めた頃、あるパーティで次回はスカートをはいて参加するようジョークを言われた。男性HCは、28からということであった。ゴルフのおかげで留学先でもネットワークが広がった。その後、とりこになってのめり込んだが、最近は多忙のため年に10回もコースに出ることができなくなった。 所属学会は、日本体育学会、大学教育学会、野外教育学会、教育工学会など。 ここ10数年は「祭りとスポーツ」の研究で祭り組織とスポーツクラブ組織の比較文化研究を行い全国行脚している。小学校以来の自称「オリンピック博士」で、このテーマの授業や講演会等企画が増えている。

授業風景

中央大学は、40年前から学部縦割りという運営で正課体育も実施されているため学部ごとに実施形態が異なる。 ここでは、文学部正課体育(必修)のゴルフ授業を例にして紹介させていただく。 文学部では、1年次に必修科目としての体育(名称は体育の科学演習)を履脩することになっていて、1年次の必修科目を2つ以上残していると3年次に進級できない科目でもある。 大学では、学内にあるゴルフ練習場(ハンドボールコート1面程度、15打席)を利用して基礎練習から始めている。学部で開講してから10数年になるがゴルフボールをまっすぐ運ぶイメージをもたせるためにはターゲットバードゴルフ(以下、TG)経験が有効に働いているようなので、コースを回るルールも合わせて指導している。 15週の授業の10回がゴルフ練習場とTG,残る5回を安全配慮やゴルフの歴史、ゴルフTV番組をみせてコースに出ることをゴールとしている授業のテーマを理解させている。 2016年度から*Gちゃれ(八王子モデル)に行く機会ができたので実習前に本コース体験できる好循環が生まれた。 この(八王子モデル)については、ゴルフのGちゃれが取り入れた名称で、中央大学および周辺地域の大学や役所等とコラボできる企画を今後検討していきたいと考えている。 4泊5日の実習は、長野県志賀高原で実施しているのでコース使用は3日間である。初日は、空振りは一打バツにしないルールでまわり、二日目はこのコースのローカルルールでまわっている。この2日間でほぼ30のハンディキャップ(以下、HC)でコンペができる状況なので、例年最終日はHCを決めてストロークプレイのコンペを実施し、学生から集めた雑費で商品を準備し、夕食を兼ねたパーティで表彰している(写真)。

ゴルフ実習コンペ日の夕食を兼ねたパーティー

以上が中央大学文学部のゴルフ授業の紹介となる。 * Gちゃれ:正課と課外をつなぐ(ブリッジング)の効果をあげるため、武蔵野美術大学を中心に取り組みが始まった企画。中央大学では、2016年12月14日「様々なブリッジングを目指して(八王子モデルの発信)」というテーマのシンポジウムを開催した。帝京医科学センターの事例、ゴルフGちゃれ事例、八王子市役所2020レガシーを目指した取り組み事例の3事例を紹介した。

先生の気持ち

ここ数年、実習を伴ったゴルフ、テニス、スキー、キャンプなど3、4万円の費用負担がある授業の履脩者が減ってきている。子どもの貧困という課題が大学にも問題になってはきているが、集中授業ならではの同じ釜の飯を食べて、合宿生活を体験できるメリットはなくなっていない。 今後も実施できる範囲で、この形態の授業を継続していきたい。プロが「L字」を使うのは「ネオマレット」より“やさしい”から!? 【濵部教授のパットの授業】 ※この記事は元サイト様(みんなのゴルフダイジェスト)の許可を頂いて転載しています。 http://www.golfdigest-minna.jp/_ct/17056538 やさしいパターといえば、ネオマレットと呼ばれる大型モデルが代名詞。だが、プロの多くはなぜかL字やアンサー型など、昔ながらの形状のパターを使用している。マレットやネオマレットが簡単なパターではなく、むしろ難しいからプロが敬遠しているのだとしたら……!? おなじみ濵部浩一教授が、形状のフシギに迫った!

マレット・ネオマレットのパターって本当にいいの?

昔のパターは、主に「アンサー型」、「L字」、「マレット型」に分類されます。この中でもっとも操作性や感覚を重視する上級者に向くとされるL字タイプは、少し低重心に進化しつつ、現代も残っています。次いでアンサー(ピン)タイプもプロや上級者から人気。こちらに関しては、約半世紀前のパターの形がほぼそのまま継承されています。 一方で、「マレット」とマレットの進化系である「ネオマレット」は、バラエティに富んだ形で市場の2/3以上を占めている印象です。その売り文句は「オートマティック」とか「直進性重視」とか、「慣性モーメントが高くミスヒットに強い」などであり、「一般アマチュアやパターが下手な人はマレットやネオマレットを選びなさい」と言わんばかり。でも、果たして本当にそうでしょうか?
プロが「L字」を使うのは「ネオマレット」より“やさしい”から!? 【濵部教授のパットの授業】

日本獣医生命科学大学の濵部教授。動作解析の専門家であり、パッティングの転がりを研究テーマのひとつとしている

そもそも操作性重視って何でしょう? プロや上級者がパッティングをする際にフェースを開いたり、閉じたりして操作しているというのでしょうか? それとも、加速の度合いを操作したり、インパクトポイントを操作したりしている? 答えはいずれも「ノー」です。

パターの名手は“再現性”が高い

プロやパターの上手いプレイヤーのパッティングを分析すると、「再現性の高さ」が際だっていることがわかります。たとえば、「アウトサイドイン軌道」で打ったりするプロもいれば、「フェースを開いて構えて、インパクトでクローズに打つ」プロもいるし、「インサイドアウト」に打ったりするプロもいます。 ただ、名手に共通しているのは「インパクトポイントの正確性=ほぼ同じ場所(芯に近い場所)でヒットする」ことと、「ストローク軌道が毎回同じ=再現性が高い」であるということ。自由自在に打点を操ったりしているわけではなく、“毎回同じ”を積み重ねられるのが、名手の条件と言えそうなんです。 そして、そんな名手たちの多くは、L字(L字マレット)やアンサー型を使い、マレットやネオマレットを使っていません。それはなぜでしょうか? それはマレットやネオマレットがハッキリ言って「使いにくい」からです。 なぜ使いにくいのか? その理由はズバリ、パターのバランスにあります。 パターのバランスはその昔、Bバランスが主流でした。重くてもCバランスぐらいまでで、Aバランスもあったくらいです。ところが、慣性モーメント理論(慣性モーメントの数字が大きい=動き出しに大きな力が必要、ミスヒットに強くなる)が出てきて以降、パターヘッドがどんどん重くなり、今やDバランスは当たり前、EやFバランスまである有様となっています。
プロが「L字」を使うのは「ネオマレット」より“やさしい”から!? 【濵部教授のパットの授業】

濵部教授の研究室には、さまざまなパターがA〜Fのバランスで分類されている。A→Fの順で、ヘッドのバランスが重い

ヘッドが重いと、何が起きるか?

ヘッドが重い(バランスが重い)パターはテークバックをする際にヘッドがその場所(アドレスの位置)に留まろうとします。つまり、手や腕の動きにシンクロしてヘッドがスムーズに右に動いてくれないのです。まず、そこで手の動きとズレが起きやすくなります。 また、手の動きに少し遅れて、渋々ヘッドが右に動き出したとしても、今度は一度右に動き出したヘッドが右へ右へと安定して動こうとするので、切り返しの際によほど待って(=ゆっくり切り返して)あげないとスムーズに切り返せません。一般のアマチュアにゆっくりとした切り返しはなかなかできないので、そこでもズレが生じることになります。 ヘッドが重いD~Fバランスのパターには、もちろんメリットもあります。ダウンスイングに入ってからは確かにヘッドが重いほうが直進性が高くなるし、インパクトでミスヒットした際にヘッドが回転してフェースの向きが狂う率も少なくなるのです。
プロが「L字」を使うのは「ネオマレット」より“やさしい”から!? 【濵部教授のパットの授業】

最近の主流になっているオートマチックなパターだが……

しかし、その前にテークバックのスタートでズレる可能性が高く、切り返しでも手とシンクロしないでワンテンポ遅れるリスクがあります。つまり……難しすぎてプロは使わない!? では、どうすればいいか。対処法は次回お伝えしましょう。上りと下りでグリーンの速さは最大「3倍」!? コースで転がり大実験! ※この記事は元サイト様(みんなのゴルフダイジェスト)の許可を頂いて転載しています。 http://www.golfdigest-minna.jp/_ct/17049151 「グリーンが何フィートだろうと、パットは下りだけ注意すればいい」「ショートパットは170センチオーバーが入れるコツ」と大胆な提言を行っている、日本獣医生命科学大学運動科学教室の濵部浩一教授。ゴルフを研究テーマとする大学教授が、自身の理論をコースで実証実験してきたぞ!

一般的な9フィートのグリーン、「上り」「下り」で転がりはどれだけ違う?

ゴルフ場でグリーンが9フィートと表示されていたら「今日のグリーンは速くないな、しっかり打とう」と、11フィートと表示されていたら「今日は高速グリーンだ、気をつけよう」とゴルファーなら考えるもの。しかし、パッティングを研究する濵部教授は「スティンプメーターの数字よりも重要なのは傾斜の影響」だという。 では、傾斜は実際のところどれだけボールの転がりに影響するのだろうか。濵部教授自らがコースに出かけ、実地で検証した。実験の内容は極めてシンプル。グリーン上の様々な傾斜からボールを転がし、上り・下りでどれくらい転がった距離が異なるかを調べるというものだ。
上りと下りでグリーンの速さは最大「3倍」!? コースで転がり大実験!

【グリーン速度測定方法】USGA公認のスティンプメーターを使用。グリーン速度はグリーン上の水平な部分で測定。スティンプメーターのノッチ(溝)にボールを乗せ徐々に持ち上げてボールを転がす。この動作を3球行い、転がった3球のボールが20センチ以内に止まったならその平均地点にティを挿す。反対側からも同様に行い、両方向から等しく転がった距離がグリーンの速さになる。

最終組からスタートし、9フィートの速さのグリーンのカップ周辺(ある程度プレーヤーに踏まれた状態)で、「下りのストレートライン」と同じ箇所の「上りのストレートライン」の転がった距離を測定。斜度はデジタル計測器を使用して、開始地点からボールが止まった地点まで、1 メートル間隔で測定し、平均斜度を求めた。その結果がこちらだ。

わかったこと:9フィートのグリーンは、「2.5度傾斜」で16.4フィート相当になる

上りと下りでグリーンの速さは最大「3倍」!? コースで転がり大実験!

1つのデータはスティンプメーターで往復4回ずつ転がした平均値。※は1ホールのデータ。nは転がした回数。※※は2ホールの近似値を合算しているのでn数は8回。※※※は3ホール合算値でn = 12回。

表の数値を左端上から下に見てみると、平均斜度2.5 度でボール転がした場合、平均で500センチ(5 メートル)転がったことを示している。±値は標準誤差であり、465 センチも535センチのデータもあったという意味。平地では274センチ転がるグリーンなので、約2倍転がったことになる。 500 センチをスティンプメーターの数値に換算すると16.4フィートに相当する値となる。最下欄に※※があるので、2つのグリーンの近似した傾斜における測定平均値であり、実験回数は「下り」、「上り」共に8回ずつだったことを示している。 この表から、9 フィートの“遅い”グリーンでも、「下り傾斜2.5 °」であれば平地で16.4フィート相当のグリーン並に転がるということがわかった。つまりこのスピードは9フィートグリーンの平地速度からすると1.8 倍になるわけだから、プレーヤーとしては相当に速く感じるはずだ。
上りと下りでグリーンの速さは最大「3倍」!? コースで転がり大実験!

斜度を測る機械。この場合、写真左側が低く1.95度の傾斜があると表示されている

一方、同じ場所から逆方向、すなわち「上り」のデータをみると、平均180センチ転がっている。というか、180センチしか転がらない。 つまり、仮に「下り」と同じタッチで打った場合、「上り」は1/3 ちょいしか転がらないことになる。平地と比べても2/3しか転がらない。180センチの転がりをフィート換算すると5.9フィートの速さになるわけで、“えらく重い”ことになる。 「下り」で大オーバーしたあと、「上り」でショートするというのはこういうことなのである。

わかったこと2:下りのほうが傾斜の影響を受け、上りのパットは「つねに重い」

また、表1右端上欄の「1.2度」の傾斜を見てもらいたい。「下り」1.2度を見てみると、290センチの転がりであることから、「平地=274センチ」とほとんど差がないことがわかる。一方で「上り」の1.2 度は「平地」より100センチ近くもショートするデータが示された。
上りと下りでグリーンの速さは最大「3倍」!? コースで転がり大実験!

1.2度のゆるやかな傾斜の場合、下りでは平地(274センチ)と大差ないが、上りでは著しく転がりが悪いことがわかる

これはどういことだろうか。他の傾斜の数値と比較してみよう。 2.5 °傾斜の場合、「下り」で5メートル、「平地」で2.7メートル、「上り」で1.8メートル転がる。これを平地を1とした比率でみると、 下り:平地:上り=1.8:1:0.7になる。 同様に、 2 °傾斜の場合、 下り:3.8メートル、平地:2.7メートル、上り:1.85メートル 下り:平地:上り=1.4:1:0.7 1.2 °傾斜の場合、 下り:2.9メートル、平地:2.7メートル、上り:1.9メートル 下り:平地:上り=1.1:1:0.7 となる。下りの傾斜は平地に対する転がりの比率が1.8〜1.1とまちまちであるのに対し、上りはすべて平地に対して0.7の転がりの比率となっていることに注目。 また、表中の±は標準誤差であるが、スティンプメーターでボールの速度がほぼ一定であるにもかわらず「下り」は誤差が大きい。「下り」は微妙な芝の抵抗を受けたり受けなかったりと、転がりが不安定であるということだ。
上りと下りでグリーンの速さは最大「3倍」!? コースで転がり大実験!

下りは±(プラスマイナス)で表される標準誤差が大きく、上りは小さい。つまり上りは「いつでも重い」

もし人間が打つのであれば、当然もっと誤差が出る。それに対して上りは斜度に余り関係なく、誤差も小さく、斜度の影響を「下り」ほど受けず、1.2~ 2.5度の傾斜において一貫して「重い」ことがわかる。

わかったこと3:平均的な傾斜では、下りは上りの「2倍」転がる

上りと下りでグリーンの速さは最大「3倍」!? コースで転がり大実験!

おおむね、「下りは上りの倍転がる」。念のため、実験を行ったグリーンの平らな場所で転がる距離は約2.7メートルだ

表1のデータから我々が良く遭遇する斜度が2 度前後の傾斜から転がしたデータをクローズアップしてみた。これによると一般的な傾斜である2度における「上り」と「下り」の転がる距離は概ね1:2の比率だと言うことがわかる
上りと下りでグリーンの速さは最大「3倍」!? コースで転がり大実験!

下り平均斜度が約2度の一般的な傾斜(6メートルの距離でおよそ20センチの高低差となる。ティは1メートル間隔)

9フィートのグリーンでの実験結果まとめ

☆ 「下り」傾斜が2.5 度あれば、平地のおよそ1.8 倍転がる。そしてその返しの「上り」は「下り」と同じタッチならば1/3程度しか転がらない。これが「大オーバーの後に大ショート」する理由。 ☆ 「下り」1.2 度の傾斜では290センチ転がり、2.5 度では500センチ転がるといったように、大きく傾斜の影響を受けるが、「上り」の場合は1.2 度で190センチ転がり、2.5 度では180センチ転がるといったように、傾斜の影響をあまり受けず、つねに同じように重い。 ☆ 一般的な2 度程度の下り傾斜は、平地のおよそ1.4 倍転がる。 ☆ 一般的な2度程度の傾斜だと「上り」と「下り」の転がる距離は概ね1:2である。「上り」は「下り」の「倍」打ってよく、「下り」は「上り」の半分のタッチでよいということ。 同じ9フィートのグリーンでも、2.5度の下り傾斜ならば16.4フィート相当の速さになるし、上りならば5.9フィート相当の速さになる。スティンプメーターの数字は参考までにとどめ、今から打つラインが上りか、下りかを慎重に見極めることが、カップインにつながるのだ。 濵部教授のグリーン実験はまだまだ続くが、ひとまず今回はここまで。世話人の江原義智先生の原著論文が臨床スポーツ医学会誌に掲載されました。 江原義智, 田辺解, 白木仁, 久野譜也. 日本人男性ゴルファーにおけるクラブヘッドスピードと体力要因との関連, 日本臨床スポーツ医学会誌., 25(1 ):68-74, 2017 ※この記事は元サイト様(みんなのゴルフダイジェスト)の許可を頂いて転載しています。 http://www.golfdigest-minna.jp/_ct/17031463

1.5〜2メートルのパットは、1.5〜2メートルオーバーするタッチで打つと入る

1.5〜2メートルのショートパット。入れごろ外しごろのこの距離が入るか、入らないかはスコアメークの鍵を握るといっても過言ではない。パッティングを研究する大学教授によれば、この距離をきっちり沈めてくるプロや上級者と、外してしまうアマチュアの違いは、ズバリ「タッチ」にあるという。ジャストタッチでなく、30センチオーバーでなく、なんと約「170センチ」オーバーさせるのが最大のコツだという。その真意を聞いた。 たしかに、よく「40~50センチオーバーさせるようなタッチが一番入る」などと言われる。しかし、倍オーバーさせる、すなわち残り2メートルから2メートルオーバーさせるタッチというのは、さすがに“強すぎ”な気がするが……。だいたい、そんな強さで打ったら、カップで跳ねてカップインしないのでは? 濵部教授はこう述べる。 「私の研究室で実験をしたところ、スティンプメーターで12~15フィートの数字となる高速グリーンでも、平地ならカップを1.5~2メートルオーバーさせる強さで打っても、ボールがカップの上を通過しさえすれば『いい感じで』ナイスインします。2.5メートルオーバーさせる強さになるとさすがにカップに蹴られますが、それでもカップのど真ん中に打てば真上に飛び上がって入ることもあります。プロやパターがうまい人のパッティングを分析しても、もし外すとしたら大体打つ距離と同じぐらいオーバーさせるタッチで打っていました。これは、私にとっても目からウロコでした」(濵部教授、以下同)

濵部教授の実験室。ここで日夜実験が行われる

では、さらに短い1メートルのパットはどうだろうか。これは、研究室のみならず、濵部教授自らがラウンドで「倍の距離を打つタッチ」を試してみたという。

1メートルは百発百中! 2メートルも80パーセント入った

「カップを2メートルオーバーするタッチで打っても問題ない。それを知った上でのラウンドでしたが、実際には、正直に言って上りのショートパットは大体1メートルオーバーするイメージでしか打てませんでした。それでも今までよりもはるかにオーバー目に打つ感じで、普段はラウンドで2〜3回は外す1メートルがすべて入り、2メートルも5回中4回入りました。残りの1回は打ち方のミスなので、タッチを今までよりずっと強くするだけで、カップイン率が一気に高まったことになります」 「その日の同伴者はみな上級者(ハンディ5と6。一人はプロ)でしたが、みな、今までの私と同じようにジャストタッチで打つので、1~2割はショート目で外し、やや強めに打った場合でもカップ間際で芝目に負けて外すときもあり、トータルでは私の半分以下のカップイン率でした」

強いプロはショートパットのタッチが強い

2メートルから2メートルオーバーさせるタッチで打てば、ラインを薄く読めるから迷わず打てるし、芝目にも負けない。押し出したり引っかけたりしてカップの幅の中に打ち出せない「打ちミス」を除けば、“百発百中”となるのだ。ちょっと怖いけど……。

パター2本分=170センチオーバーさせる練習をしておこう

「アマチュアでは50センチ~1メートルのショートパットを外してイップスになっている人も多いと思います。これらの人がイップスになったのは、ほぼタッチが『弱い』ことが原因です。50センチを2メートルオーバーさせる強さで打てとまでは言いませんが、少なくとも50センチのパットなら倍の50センチオーバーさせるタッチ、1メートルのパットなら1メートルオーバーさせるタッチで打つ心構えがアマチュアにとってパット上達への現実的で効果的な方法と確信しました」

ショートパットでは打つ距離と同じくらいオーバーさせるくらい強めのタッチでいこう

濵部教授によれば、どんな距離でも常に1.5~2mオーバーするタッチの練習がカップイン率を上げる秘訣だという。パターの1本の長さが大体85センチ前後だから、ショートパットを打つ際に、それが自分のパター1本分の距離だったなら、カップを通り越してカップの向こう側にパター1~2本分オーバーするイメージをもつとタッチが合うとアドバイスしてくれた。ただし、以上はすべて上りか平らなラインに限った話。下りの場合はまるっきりタッチが異なるので注意が必要だ。 タッチに迷いがなくなると、ラインも合ってくるし、ラインそのものも薄目に読める。芝の微細な凹凸の影響も受けにくくなるからカップイン率が格段に上がる。教授自らラウンドで実証実験済みのこのタッチ、次のゴルフで試してみては? ※この記事は元サイト様(みんなのゴルフダイジェスト)の許可を頂いて転載しています。 http://www.golfdigest-minna.jp/_ct/17031463 「今日のグリーン速いなぁ」「スティンプメーター、11フィートだったもんね」。ゴルフ場ではこんな会話をよく聞く。しかし、パッティングを研究する大学教授によれば、11フィート以上のグリーンでも速いと感じるのは「下り」のみ。「上り」や「平地」は“速くない”という。 「PGAツアーでは、グリーンの速さは13フィート(約396センチ=スティンプメーターで測定した際のボールが転がる距離)と言われています。一般アマチュアの場合は大体9フィートから10フィートでプレーする機会が多いでしょうか。ですから、13フィートとまではいかずとも、名門コースや競技の直後などで『本日のグリーンの速さ11フィート』などの表示を見たら、『え~11フィート!? 速っ!』とブルっちゃうかもしれません。しかし、実は、11フィートのグリーンは速くない。はっきり言って、13フィートくらいまでは普通にパッティングしてなんの問題もありません」

“ガラスのグリーン”と形容されるオーガスタナショナルGCの高速グリーンなど例外を除けば、PGAツアーでは平均13フィート、一般アマチュアが通うコースは約9~10フィートに設定されていることが多い。

そう語るのは、元ゴルフのインストラクターという異色の経歴を持ち、ゴルフを研究テーマとする日本獣医生命科学大学運動科学教室の濵部浩一教授。11フィートが“速くない”。それって、どういうことだろう。 「私の研究室ではグリーンの速さを1.スティンプメーターで12.3フィート2.同14.4フィート、3.同15.9フィート、そして4.同22.9フィートの4段階に設定してあります。すべて、通常営業の基準からすれば超高速に感じる設定です」(濵部教授、以下同)

濵部教授の研究室。まさにパットラボという風情

「ところが、通常めちゃ速いとされる『15フィートグリーン』でパッティングしてみても、別に驚くほど速くないんです。具体的に言うなら、この15フィートグリーンで20センチテークバックをとり、インパクトでゆるめずピシッとストロークして転がる距離は、大体5メートル前後。15フィートだからといって、10メートルも20メートルも転がるわけではありません。なぜか? 答えは簡単で、『平らだから』です。つまり、平地の15フィートは恐るるに足らずなのです」 濵部教授はそういうが、これには少々納得がいかない。研究室と本グリーンではそもそも違うし、我々ゴルファーは、現に11フィート(ときにそれ以上)の速さのグリーンで、何度も大オーバーの痛い目にあっている。「15フィートは恐るるに足らず」とは到底思えない。

速いのは「11フィート」ではない。「11フィートの下りのパット」だ

「なぜ11フィートのグリーンを、みなさんが『めちゃくちゃ速い』と認識しているか。その答えも簡単です。『11フィートの下り』はメチャ速だからです。もちろん、13フィートの下りならあり得ないぐらい転がります。みなさんが大オーバーの記憶を刷り込まれているのは、『高速グリーン』ではなく『高速グリーンの下りのライン』なのです」

「11フィートだから速い」ではなく、その傾斜を加味してグリーンの速さを理解する必要がある

な……なるほど。言われてみると、僕らがグリーンを速いと認識するのは、「カップを通過したボールが止まらずどこまでも転がってしまったとき」だ。“今日のグリーンは11フィートだぞ、速いぞ”という認識と、下り傾斜で大オーバーしてしまった記憶。両者が合体して「11フィート以上のグリーンはとんでもなく速い」という観念へと至る。 「その証拠に、11フィート以上の高速グリーンで大オーバーしたときのことを、ちょっと思い出してみてください。そういうとき、返しのパットでショートしていませんか? これ、本当はおかしいですよね。返しのパットも大オーバーすることはまずない。なぜか? それは、もちろんメンタル面の影響もありますが、それ以上に返しのパットが『上り』で“遅い”からなんです。また、下りで大オーバーしたあと、次のホールの平地や上りでファーストパットでショートするケースも多く見られます。これらの錯誤を生んでいるのは、ひとえに下り傾斜がもたらす、グリーンのスピードの“思い込み”なんです」

「11フィートで1度の傾斜」は、スティンプメーター約「22フィート」!

大オーバーの後の大ショート。それはメンタルの問題だと思い込んでいたが、実はもっと単純で、「ファーストパットは下りで、返しは上りだから」だったのだ。言われてみれば当たり前。まさに灯台下暗しだ。 「私の研究室には22.9フィートのグリーンがあると前に述べました。なぜ22.9フィートなのかといえば、11フィートの速さが出ているグリーンでの一般的な下りのパット(傾斜1〜1.9度)は平地で22.9フィートの速さに大体合致します。ですから、この設定でのグリーンが私の研究室にはあるのです。傾斜1度とは、1メートルの距離で高低差が1.75センチ。1.9度ならおよそその倍の高低差になります。普通のゴルファーが見た目でわかる傾斜は2度前後なので、1度だと下りと気づかずパットしているケースも多くあるはずです」 濵部教授によれば、傾斜が3度あると「このグリーンは上から速い!」と誰もが言う名物ホール。傾斜4度以上は、二段グリーンの境目など特殊なケースになるという。そういう意味では、下りの認識できない「1度の傾斜」こそが曲者だ。

富里GC(千葉県)などグリーンが速いことで知られるコースはそのアンジュレーションに注意が必要

「今日のグリーンが何フィートなのか」ではなく、「今から打つラインは上りか、平らか、下りか」に意識を集中して、打つ。当たり前のことだが、ファーストパットをピタリと寄せるには、それがなにより大切なのだ。 <今回のまとめ> 「9フィートだから遅い」とか「13フィートだから速い」という考えにとらわれず、「平地」か、「下り」か、「上り」かをジャッジすること。「平地」と、「上り」は9フィートでも13フィートでも気にせず普通に打ってOK。ただし、9フィートでも「下り」ならば20フィート近い速さになることを頭に入れ、最大限の注意を払うこと。※この記事は元サイト様(みんなのゴルフダイジェスト)の許可を頂いて転載しています。 http://www.golfdigest-minna.jp/_ct/17025650 パッティングの秘訣は「パターを『12ミリ』浮かせて打つこと」。ある大学教授の大発見を記事化したところ、読者から大きな反響があった。今回はその第二弾。みんなの苦手な下りのパットには、絶対的なコツとも言える「入るテークバック」が存在した!

【前提】パターを加速させながら打つことが、ナイスインを生む

前回「パターを浮かせて打つと入る(大意)」という衝撃の事実を教えてくれた、日本医科大学 日本獣医生命科学大学 運動科学教室の濵部浩一教授。運動の動作解析の専門家であり、元ゴルフのインストラクターという異色の経歴の持ち主でもある濵部教授によれば、難しい下りのパットにも絶対的とさえ言えるコツが存在するという。 「簡単です。テークバックをまったくしない、あるいは1センチだけテークバックして、打つ。こうするだけで、少なくともストレートな下りのラインならばほぼ確実に入れることができます」(濵部、以下同) そう胸を張る濵部教授。しかし、にわかには信じられない。たとえ曲がらないラインだとしても、万が一強く打ってオーバーしたら3パットの確率が急上昇する下りのパットの場合、真っすぐ打ち出す、そのこと自体がアマチュアにとっては簡単ではないからだ。その反論を、濵部教授は一部認めつつもこう言う。

究極の下りのショートパット対策。確実に沈める「ゼロテークバック」

「なぜ下りのパットが難しいかといえば、ストローク全体がゆるみ、ヘッドが減速した状態でインパクトを迎えるからです。このようなゆるんだストロークでは、インパクトでボールに当たり負けしてフェースの向きが狂ったり、減速する過程でヘッドが手元より先行してフェース面にブレが生じたりするので、狙ったところにまず打てません。つまりラインが出ないわけですから、カップを外した時の恐怖から、ますます距離を合わせようとして弱く打とうとします。仮にまぐれでラインに乗っても、最後のひと転がりで入るようなトロトロタッチではグリーンの微妙な凹凸の影響を受けカップイン率が更に下がります」 そもそもなぜ我々は下りのパットを過去に何度も大オーバーしてきているのだろうか。答えはひとつと教授は続ける。 「下りのパットでバックスウィングが大きすぎるのです。自身で小さくしているつもりでも明らかにでかいです。バックスウィングが大きすぎるから過去に大オーバーの経験を何度も繰り返しています。で、プロのようにゆっくりストロークもできないから、下り=大オーバー=恐怖の方程式が刷り込まれちゃっているのです」 では、オーバーの恐怖に打ち勝ち、インパクトでゆるまない為にはどうすればいいか。 「これまた実に簡単で、テークバックをとらずに打てばいいんです」 そう、下りのパットの絶対的なコツ、それは「テークバックをとらない」という方法だったのだ。 やり方は簡単だ。パターヘッドをボール1個分ほどボールから離してアドレスする。クラブが接地した状態だとテークバックなしでは打ちにくいので、ほんのわずかに浮かせる。あとは言葉どおりテークバックをとらずに打つだけだ。 「ゴルフボールの大きさは42.67ミリ以上と定められています。つまり約4センチ離れた場所にアドレスし、そこからテークバックなしで打つわけです。ボールまでの距離がたった4センチしかないため、絶対に減速できない。そして、減速しない=フェースがズレない。だから入るんです。さらに、ラインを間違えて入らなかった場合でも、この打ち方だとパンチが入らないのでオーバーの危険性も少なくて済みます」(濵部) つまり、いいことずくめ。ほぼ究極と言っても過言でない下りのショートパット対策なのだ。濵部教授によれば、フェース面がズレるのは、大きく「切り返しのゆるみ」と「インパクト直前のゆるみ」の2カ所。ゼロテークバックならば切り返しはそもそも存在せず、インパクト直前のゆるみも消える。ほぼ無敵……に思えるが、実は決定的な弱点も存在すると濵部教授は認める。

ゼロテークバックの弱点を解消。無敵の「1センチテークバック」

「単純に、ルール違反の可能性があるんです。ルールには、『プレーヤーは球をクラブのヘッドで正しく打たなければならず、押し出したり、掻き寄せたり、すくい上げてはならない。』とありますが、テークバックしない打ち方は、これに違反しているとみなされる可能性がゼロではないんです。ですから、私はこの打ち方は基本的には“練習用”として推奨しています」 もうひとつの弱点、それはーー。 「気持ち悪いんですよね(笑)。テークバックなしで打つのは、ゴルファーの生理的に単純に気持ちが悪い。慣れればなんの問題もないのですが、いきなりやれと言われても違和感を覚える人のほうがはるかに多いと思います。そこでオススメなのが、1センチだけテークバックをとるやり方です」 「先ほどはボール1個離れた状態からテークバックなしで打つ方法をお教えしましたが、同じアドレスから、比喩ではなく具体的に1センチだけテークバックして打ってみてください。テークバックしない時ほど強烈ではありませんが、ゆるまず加速しながらインパクトして、かつ飛ばさないという似たような効果が得られますから」 正直に言って、ゼロテークバックにはかなりの違和感がある。しかし、このやり方だと違和感は大幅減。アドレスの状態でヘッドをボール1個分(距離がある場合は2個分)離すことで、いわばあらかじめテークバックしてある状態になり、たった1センチのテークバックでも十分な手応えを得られる。 とはいえたった1センチしかテークバックしていないためフェース面はズレにくく、しっかりと芯を食った感触を味わいつつも、ボールが素早く飛び出すわけではない、というゼロテークバックのメリットはほぼそのまま享受できるというわけだ。 それにしても恐るべきは濵部教授。まるでアイデアの玉手箱だ。今後も、教授の「新発見」をウォッチしていきたいと思わされた、今回の「パット講義」だった。※この記事は元サイト様(みんなのゴルフダイジェスト)の許可を頂いて転載しています。 http://www.golfdigest-minna.jp/_ct/17021613 パットが入るための条件は「いい転がり」にあると言われる。では「いい転がり」ってなんだろう? 動作解析が専門の大学教授がその答えに迫り、ひとつの答えを出していた! コロンブスの卵的、驚愕のレポートをお届けしよう。

パッティングには「正解」があった

パットに型なしというように、パッティングには「正解がない」というイメージがある。しかし、運動の動作解析の専門家(学)日本医科大学 日本獣医生命科学大学 運動科学教室の濵部教授はどうやら「正解」を知っているようだ。
(学)日本医科大学 日本獣医生命科学大学 運動科学教室の濵部教授。動作解析の専門家であり、パッティングの転がりを研究テーマのひとつとしている

(学)日本医科大学 日本獣医生命科学大学 運動科学教室の濵部教授。動作解析の専門家であり、パッティングの転がりを研究テーマのひとつとしている

「いい転がり」とはインパクト直後から順回転

濵部教授によれば、パットの成否を分かつのは「転がり」にあるという。 「パッティングが得意ではない人の転がりにはふたつの特徴があります。ひとつはインパクトの後にボールがすぐに回転しないで横に滑ってから転がる場合。もうひとつは、インパクトの瞬間にボールが浮き上がり、ジャンプしてから転がり始める場合です。いずれも、ラインから外れやすく、カップインの確率が低くなります。同じ位置から打っても同じように転がらない理由はインパクト直後の転がり方にあるんです」
インパクト直後の転がり方がボールの曲がり度合いに影響することを、濵部教授は突き止めた。図の左が良い転がり、右が悪い転がりのイメージ

インパクト直後の転がり方がボールの曲がり度合いに影響することを、濵部教授は突き止めた。図の左が良い転がり、右が悪い転がりのイメージ

パターヘッドの浮かせ度合いに転がりの秘密があった

つまり、転がりが悪いと、同じラインに同じ強さで打ってもカップインしない可能性が出てくるということ。となれば気になるのは「どうやったら転がりが良くなるのか」という一点だ。 どうすれば「いい転がり」になるのか考えてみてほしい。普通に考えれば「パターの芯で、スクェアにインパクトする」ことが一番大切だと思うはずだ。それはもちろん正解。だが、それとは別に“転がりの良さ”に決定的に影響する、今まで解明されてこなかった要因があるという。それが「インパクト時のヘッドの浮き具合」だ。 「インパクト時、多くの一流ゴルファーはパターヘッドをわずかに浮かせてインパクトしています。にも関わらず、その具体的数値は明らかになっていませんでした。では、どれだけ浮かせるのがいいのか、そこに注目したんです」 そこで濵部教授が制作したのが、ストロークを変えずに、ヘッドの「浮き具合」だけを1ミリ単位で変えられる器具。
濵部教授の製作した実験装置は同じストロークでヘッドの地面からの距離を変えられるように作られている

濵部教授の製作した実験装置は同じストロークでヘッドの地面からの距離を変えられるように作られている

地面から浮かせることでパターの重心とボールの重心が「揃う」

「2メートル以内のストレートラインのパットを例に、芝の影響を受けずに真っすぐ転がる最大の条件を探るため、パターヘッドを地面から1ミリ浮かせたところから1ミリずつ上げて実験をしてみたんです」(濵部教授) そして、その実験の結果、驚くべき事実が浮かび上がってきたのだという。今まで解明されてこなかったパターヘッドの「高さ」は、やはり転がりに大きく影響していることがわかったのだ。 「実験の結果、ほとんどのパターではヘッドが地面から8~14ミリ浮かせた状態でインパクトすることで『いい転がり』の順回転で転がすことができるようになっていました。キャッシュインやL字型は8~12ミリ、ピン型やマレット型は12~14ミリ浮かせてインパクトをするときれいな順回転がかかることが確認できました」
キャッシュインの場合、地面から8〜12ミリ浮いた状態がいいインパクト。インパクトロフトは「0度」が理想だという

キャッシュインの場合、地面から8〜12ミリ浮いた状態がいいインパクト。インパクトロフトは「0度」が理想だという

なぜ、パターを浮かせた状態でインパクトすると転がりが良くなるのか? その答えは上の図にある。浮かせることでヘッドの重心とボールの重心が同じ位置に揃い、それがいい転がりを生むというわけだ。そして、パターの重心高さは形状によって異なるため、形状によって最適な「インパクト高さ」には誤差がある。 最後に、どうやったら地面からちょと浮かせたインパクトを身につけられるのかも聞いてみた。濵部教授は、そこにもユニークな「答え」を用意してくれていた。

乾電池2本で「ちょい浮き」インパクトは身につけられる

「自宅のパターマットでできる簡単な練習方法があります。まず単4と単3の乾電池を1本ずつ用意してください。単4電池を手前、単3電池をカップ側に2本並べます。そして、手前の単4電池には触れずに単3電池だけを打つようにストロークしてみて下さい」 おー、なんと! この練習やってみると意外と難しい。でもたしかにヘッドを少し浮かしてインパクトする感覚がつかめる。 「単4電池の直径は10ミリ、単3電池の直径は15ミリ。この練習を続けることで、10ミリ以上15ミリ未満のちょうどいい高さのほどよいアッパーブローでインパクトを迎えられるようになります。それこそが、『いい転がり』を得られるストロークなのです! 電池を2本置いて実際にボールを打ってみるのもいい練習法ですよ」 実際に打ってみたところ、カップに吸い込まれるように転がった。この練習を繰り返せば、転がりのいいパッティングをマスターできる気がしてきたぞ。 濵部教授によると、「赤道の少し下を約4度のロフトを生かしてアッパーブローにこすり上げるように打つ方法と、ハンドファーストに構えてロフトを相殺して赤道を打つ方法と2タイプあるが、どちらを選ぶかは好みにより、どちらでもよく入りますよ」とのこと。いずれにしてもインパクト時に12~14ミリ浮かせて打つことがキーポイントのようだ! 濵部教授の研究室は、まるでインドアゴルフスタジオのような設備。実は濵部教授、教壇に立つ前はレッスンプロをしていたという異色の教授。なるほど、だからこそこんなお役立ちドリルも考案できるのかと納得してしまう。現在はゴルフの授業とスポーツ実習をする傍らゴルフの普及活動と研究も続けている濵部教授。今後も研究成果楽しみにしてますよ! ※2016年12月15日14時15分一部加筆修正しました

1.大学ゴルフ授業への用品提供事業の概要

2016年6月27日、(公社)全国大学体育連合(大体連)、(公社)日本プロゴルフ協会(PGA)、ゴルフ市場活性化委員会(GMAC)が産学連携協定を結んだ。 この協定の目玉の一つに、(一社)日本ゴルフ用品協会(JGGA)に加盟するゴルフ用品メーカー各社による大学ゴルフ授業に対する用品(クラブ)提供事業がある。 これは、JGGA加盟企業のご厚意によるものであり、大体連会員校のうちゴルフ授業を展開している大学にゴルフクラブを提供するものである。本事業を通じて、大学のゴルフ授業が発展し、ゴルフ市場全体が活性化することが大いに期待されている。 なお、本事業における実務は大学ゴルフ授業研究会が執り行うこととなっており、研究会の世話人の一人である著者が担当として大学とJGGA双方の窓口となっている。

2.ゴルフ用品提供の流れ

本事業におけるゴルフクラブ提供の流れについては図1に示した通りである。まず、提供を希望する大学は申請書に同意書を添えて申請手続きを行う(上限40本、うちショートアイアン10本まで)。 次に、大学ゴルフ授業研究会がこれらを取りまとめ、供給量とのマッチングを行ったのち、JGGAに発送手続きを依頼する。JGGAは、発送依頼に基づき着払いにて大学へ発送するという流れになっている。 なお大学には、提供を受けたクラブを用いた授業の終了後、報告書および学生のアンケートを提出することが義務づけられている。 またその他の申請要件として、大体連大学会員であることに加え、事務職員のゴルフ用具保管責任者の設定、提供クラブの権利関係および保管に関する同意書の提出がある。以上の手続きにより、大学としては送料の負担だけで、クラブの提供を受けることができることとなっている。 用品提供の流れ のコピー

3.現状の様子

2016年11月14日現在、22大学から申請があった(表1)。本事業開始当初すぐに18大学から申請があり、その後、夏休みを経て4大学から申請があったが、当初の予想を裏切って低調となっている。 申請内訳をみてみると、男性用ドライバーの希望が最も多く(133本)、女性用7番アイアンが最も少なかった(左利き用ウッドについては当初在庫が無く、2回目の供給時に追加されたものであり、大学に対して十分にアナウンスがされていないためカウントから除外した。)また申請に対して最も供給量が少なかったのは女性用ドライバーであった(-303.6%;113 vs 28: 申請数 vs 供給数)。 なお、7番アイアンについては男性用・女性用ともに申請に対して供給が多く、供給量に対する配布率は9.6%にとどまっている。 用品提供の流れ のコピー

4.学生の反応>

申請要件としての学生対象アンケートでは、提供クラブと本事業への感想、ゴルフへの関心について調査している。2016年11月15日現在、2大学37名(男子9名、女子28名)より回答を得ている。 回答者のゴルフ経験は、1年未満の3名を除き全てゴルフ未経験であり、ラウンド経験がある者は1名であった。ゴルフ授業受講以降、購入したゴルフ用品は、グローブが2名、ゴルフウェアが2名で、33名は何も購入していない。 ゴルフ授業を契機として、練習場に行った者は4名、TV観戦をした者は1名、インターネットによる情報検索をした者が1名であり、ゴルフに関連する活動を何もしていない者が32名であった (複数回答)。また、今後ゴルフを継続したいと考える学生は5名、継続しないとしたのは10名であった(どちらとも言えないは22名)。 最も多かった「どちらとも言えない」の理由として、「ゴルフクラブを持っていない (1名)」「近くにゴルフをする場所がない (1名)」「運動によさそう(1名)」と肯定・否定両面の意見が挙げられた。継続したい理由には、「楽しかったから (1名)」「上手くなりたい (1名)」が挙げられ、継続しない理由を挙げる者はいなかった。 用品提供については、その説明を受けたとする者は15名であり、半数以上の学生(22名)が担当教員より本事業について説明を受けていないことが明らかとなった。一方で、提供クラブに関する感想・意見では、「感謝している(7名)」「使いやすかった(6名)」「良かった(4名)」の順に多かった。反面、「重さが厳しい(1名; 女子)」という意見もあり、女性用クラブが十分に行き渡らなかったことが示唆された。

5.課題と解決策等

学生アンケートの結果から、学生の本事業に対する反応は概ね良好であるが、「特になし」と回答した者が12名いたことは見過ごすことができない。これは担当教員による学生に対する本事業のアナウンスが足りないことに起因していると考えられる。 学生がゴルフに対して親近感を持つためにも、本事業が業界を挙げてのバックアップ体制によるものであることをきちんとアナウンスするよう周知徹底をしていかなくてはならない。 一方、著者が提供クラブを授業で使用した際の学生の反応であるが、本事業の説明した段階では非常に盛り上がった。しかしながら、実際に使用する段階では、受講生数に対して数量が不足することが判明した。その結果、提供クラブが行き渡らなかった学生には明らかに落胆の様子がうかがえた。 学生の期待を裏切らないためには、受講者数に見合った数量が必要である。すなわち、申請に対して満額回答しなくては学生の満足度にはつながらない。一律の申請上限ではなく、受講者数を考慮していくことが必要であろう。 また提供クラブの配分に当たり需給調整を必要として原因の一つに、7番アイアンの在庫が抱負であることが挙げられる。これを解消するために研究会としては、大学に対して7番アイアンを積極的に使用できる様な授業内容を提供(開発)するとともに、業界に対して「試打クラブ=7番アイアン」という常識を変えていただけないかと考えている。 両者が調整をすることで、大学としては多様なクラブの提供を受けることができ、多様なゴルフ授業の展開が可能となる。なお、現時点で申請大学数が低調なっている点については、手続きの煩雑さと大体連会員校であることの縛りが大きいと考えている。 これら、いずれの課題についても、本事業において中立的な立場である本研究会が、「何を優先すべきか」という視点で関係各所と調整を行い、長期的かつ全体の利益に結びつけていくことが肝要であると考えている。 末筆となりますが、業界各位におかれましては対してはこれまでのご厚意に感謝すると共に、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。 プリント 以上 髙𣘺 宗良(たかはし むねよし) 1969年東京都生まれ。 博士(教育学)、博士(保健学)。 鎌倉女子大学児童学部准教授、武蔵野美術大学兼任講師。 専門は、スポーツ方法学、安全教育学。 安全教育学と授業改善の視点からゴルフについて研究をしている。 日本ゴルフ学会理事・関東支部理事長、大学ゴルフ授業研究会世話人。 日本運動・スポーツ科学学会理事。 (公財)日本水泳連盟学生委員会関東支部副支部長、地域指導者委員会委員。 三鷹市スポーツ推進審議会委員。