※この記事は掲載元(月刊ゴルフ用品界 GEW)の許可を頂いて転載しています。
掲載元 月刊ゴルフ用品界 2018年4月号(見本誌の申し込みはこちらから)
滋賀大学は1949年(昭和24年)に設立されました。設立以来、教育学部と経済学部の2学部でしたが、2017年(平成29年)にデータサイエンス学部が新たに設置され、3学部となりました。教育学部は大津市にキャンパスがあり、経済学部とデータサイエンス学部は彦根市にキャンパスがあります。
私が所属する教育学部は琵琶湖から流れ出る瀬田川沿いにあり、近くには紫式部が「源氏物語」を執筆したとされる石山寺があり、豊かな歴史と美しい自然に囲まれています。
学生は教員を目指す者がほとんどであり、教員就職率は全国第4位で、総合大学としては第1位となっています(2015年度)。
「身体運動の科学」の授業の中でゴルフ実習を二日間の集中講義で行いました。
一般社団法人日本ゴルフ用品協会よりゴルフクラブの提供を頂くことができましたので、今年度(2017年度)よりゴルフの授業を行いました。
これまではゴルフではなく、レクリエーションなどを行っていましたが、クラブ提供を受けることができたことと学生たちにゴルフを体験してほしいという私の思いがあり、ゴルフに変更しました。
受講生は約20人で、ほぼ全員が初心者でした。初日の午前はゴルフの概要(ルール、マナー等)とスイングのポイントの講義を行い、その後、体育館にて素振りの練習を行いました。
午後からは大学近くのゴルフ練習場に行き、二人1組で1打席使用し、2時間の練習を行いました。二日目の午前は初日のスイング映像を見て、各自課題を見つけるという作業をしてもらいました。午後からはゴルフ練習場に行き、練習を2時間行いました。
多くの学生がゴルフの魅力にとりつかれたようで、2時間の練習が終わる頃には、「もう終わってしまう」や「また来たいです」という声がよく聞こえました。技術面も少しではありますが、皆上達していました。
二人組で1打席利用したため、お互いにアドバイスしあったり、携帯電話で映像を撮ることができたので、その点が技術向上に繋がったと思います。
普段の体育の授業ではバレーボールやバスケットボールなどを行い、学生たちも楽しんで運動を行っていますが、以前から何か物足りなさを感じていました。
高校までの授業で経験したことがなく、大学の授業でないと経験できないようなスポーツで、生涯スポーツに繋がるスポーツを学生たちに経験させたいと思っていました。また、本学の学生は教員になる者がほとんどです。
視野の広い教員になってほしいため、様々な経験をさせてあげたいと思っていました。その折、クラブ提供を受けられることを知り合いから聞き、「これだ」と思い、ゴルフの授業を行うことを決めました。
初めての授業であったため、不安の中での授業でしたが、学生たちは大変満足していたようで、ゴルフの難しさを感じながらも、上手く打てた時の爽快感と上達していく過程に喜びを感じているようでした。
授業ではゴルフのマナーについて話をしましたが、それは全てのスポーツあるいは日常生活にも通じることですので、将来教員になる学生たちには良い勉強になったのではないかと思っています。また、
普段の授業以上に学生同士あるいは学生と教員間でコミュニケーションがとれており、その点も良かったと思います。
私自身の指導においては、スイングをどこまで修正させたらよいのかに悩みました。学生自身の感覚もあるので、逆にうまくいかなくなるのではないかと思い、指摘するかどうかを迷いました。
来年度以降も授業を継続していく中で、試行錯誤しながら、指導を改善していきたいと思っています。今回はコースに出ることはできませんでした。
ゴルフはコースに出ることによりその醍醐味を味わえると思います。本学の近くにはとても良いゴルフ場があるので、いずれはコースに出て授業を行いたいと思っています。
滋賀大学 教育学部准教授
松田繁樹(まつだ・しげき)
1977年 愛知県瀬戸市生まれ
1996年 私立南山高等学校卒業
2000年 金沢大学教育学部スポーツ科学課程卒業
2003年 金沢大学大学院教育学部研究科修了(修士(教育学))
2007年 岐阜聖徳学園大学短期大学部専任講師
2010年 金沢大学大学院自然科学研究科修了(博士(学術))
2013年 岐阜聖徳学園大学短期大学部准教授
2014年 滋賀大学教育学部准教授 (至現在)
2015年 龍谷大学 非常勤講師 (至現在)
2017年 京都産業大学非常勤講師(至現在)
滋賀大学では体力科学、生理学、サッカー、陸上競技、身体運動の科学などの授業を担当している。専門分野は測定評価、発育発達、トレーニング科学である。主に子どもの足裏に関する研究、サッカー選手のトレーニングに関する研究を行っている。所属学会は日本体育学会、日本発育発達学会、日本教育医学会、日本体育測定評価学会、日本フットボール学会などである。著書には、『新時代の保育双書「保育内容健康」』(共著)、『健康・スポーツ科学の基礎』(共著)、『幼児のからだとこころを育てる運動遊び』(共著)などがある。
専門競技はサッカーであり、国体や天皇杯に出場した経験がある。保有資格には、CSCS(認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト)、公認サッカーC級スポーツ指導員などがある。