※この記事は掲載元(月刊ゴルフ用品界 GEW)の許可を頂いて転載しています。
掲載元 月刊ゴルフ用品界 2019年3月号(見本誌の申し込みはこちらから)
日本大学は、1889年(明治22年)に創立された日本法律学校を前身とします。 欧米諸国の法律を学ぶことが主流の当時において、日本の法律を学ぶ学校として誕生した本学は、私学としての独自性を大いに発揮しました。
1903年(明治36年)には日本大学と改称し、1920年(大正9年)、大学令により大学となりました。平成31年に130周年を迎える本学は、教育理念「自主創造」を合言葉に、新時代を切り拓く人材の育成につとめています。
多彩なフィールドを備えた魅力のある真の総合大学として、教育・研究活動を始め、医療、生涯学習等、社会の発展に貢献すべくさまざまな活動を展開しています。学生数は全国第1位を誇り、約7万6千人が18学部で学んでいます。
日大理工学部のゴルフ授業は、週1回の学期授業(15回)前期、後期と夏季集中(5日間)の2本立てで行っています。
学期授業では、他の7~8つのスポーツ種目と同時に開講し、その中からゴルフを選択した学生を対象としています。4人の先生が担当し、前期、後期で計16コマ、年間で延べ約300人の学生がゴルフ授業を履修します。
週1回の授業では、学内にあるゴルフ練習場(約20ヤード、20打席)を用いて行っています。雨天時には、体育館内でパター練習、DVDを使った理論講習などを行っています。練習場では、グリップの持ち方、アドレスの姿勢、テイクバックなど基本技術を身につけながら反復練習を行います。
ボールを打つことの難しさと楽しさを感じながら、ゴルフを生涯スポーツの一つとして選択してもらえるように授業を進めています。1人、1打席が確保されているので90分の授業内に100~150球程度を打つことができます。初心者はアイアンで真っ直ぐに飛ばせることを目標にして行っています。
夏季集中で行うゴルフ実習では、20~30名程が履修し、初日は学内練習場で行い、2・3日目は近隣の「明治ゴルフセンター」、4日目は「アコーディア・ガーデン志津」のショートコース、5日目は「東我孫子CC」にて本コースをラウンドします。
この3つの施設の多大な協力により実習が成立しています。学外施設を利用することで、初心者であっても本格的にゴルフに触れることができ、ルールに加え、マナーやエチケットについても学ぶ機会となっております。
ゴルフは止まっているボールを打つ非常にシンプルなスポーツで、一見簡単そうに見えますが、実際には思うようにいかないです。
その「思うようにいかない」という気持ちは、初心者も上級者も同じではないかと私は思っています。ゴールを何処に設定するのかによって、どのレベルでも楽しむことができるスポーツだと思いますが、初心者の学生は上達を焦ったり、途中で飽きてきたり、一旦諦めたりすることもあります。
コツさえ掴めば誰でも上手くなれると声を大にして(実際には優しく)伝えています。
理工学部に着任して3年目の私自身も初心者で、今の職場に来てゴルフに取組みはじめ試行錯誤しながら授業をしています。
PGAのゴルフ教本にはじまり,指導書やDVDを利用し、指導者向けの研修会に参加したり、教員の先輩方に指導を仰いだりしてきました。グリップ、アドレス・テイクバックの姿勢、スイングプレーン、フェイスの向きなどを一つ一つ学生に伝え、アドバイスをしています。
全員上達していきますがその進度には個人差があり、その個人差を生む要因は過去の運動経験、個々の筋力、柔軟性、イメージ力、理解力、自主練(?)であったりすると思います。
上達して思うようにボールを打てることが目標ですが、もっと大事なことはゴルフを好きになることだと思っています。
ではどうやったらゴルフが好きになるかと考えた時、上達することに加え、思ったようにいかなかった時、どうすれば思ったように身体を動かせるかを感じる力をつけることだと思います。研究者の私は考え過ぎる悪癖があります。
Don’t think. Feel! (考えるな!感じろ!)という名言をブルースリーは残していますが、目先にとらわれ過ぎず、遠くの目標を見てゴルフを通じて上達する過程を学んで欲しいと思っています。
日本大学理工学部 准教授 難波秀行(なんば・ひでゆき)
1976年大阪府生まれ
府立茨木高等学校卒業
日本大学文理学部体育学科卒業
日本大学大学院理工学研究科修了 修士(工学)
筑波大学大学院人間総合科学研究科修了 博士(スポーツ医学)
2010年福岡大学スポーツ科学部 助教
2013年和洋女子大学健康栄養学類 助教
2016年日本大学理工学部 准教授
現在に至る
学生時代は陸上競技(混成競技)を行っていました。自分に持ち合わせていない運動技能を獲得する楽しさを知っていく一方、何が足りないのかという疑問から研究に足を踏み入れて、現在に至っています。
専門は運動生理学をベースに身体活動の測定法の開発、スポーツ栄養、体育授業研究を行っています。特に最近は自転車、野球、そしてゴルフなど道具を使うスポーツに関心が移り、身体を動かす中での新しい発見を大切にしています。
学生には身体を動かす楽しさを実感できるよう授業を展開し、生涯にわたりスポーツを身近な存在として感じられる生活を実践して欲しいと願いを込めて授業を行っています。
所属学会は、日本体力医学会(評議員)、日本運動疫学会(編集委員)、日本スポーツ栄養学会(評議員、編集委員)、日本体育学会、大学体育連合(研修部、編集委員)など。担当する実技授業は、ゴルフ、バスケットボール、バレーボール、ソフトボール、サッカー、スキーなど。