※この記事は掲載元(月刊ゴルフ用品界 GEW)の許可を頂いて転載しています。
掲載元 月刊ゴルフ用品界 2019年7月号(見本誌の申し込みはこちらから)
経理専門学校として大阪で最も古い歴史を有する関西経理専門学校の前身、関西簿記研究所を1940年に創設。
のちの1963年、大阪学院大学として創立。現在は、大阪学院大学短期大学部を併設した、7学部8学科+短期大学部を擁する総合大学となっています。大阪の中心から抜群のアクセスで、緑あふれる豊かな環境のキャンパスで開かれるすべての学部・学科において、実務人を育てる実践的な学びを行っています。
現代のビジネス社会で即戦力となるキャリア教育や資格支援の充実、またグローバル社会に適応する国際人を輩出するため、キャンパス内で段階的に語学力や国際性を養うための多彩な国際交流プログラムを展開しています。
本学では、全学部学生を対象とした「共通科目」分野の中に選択科目として「スポーツA、B、C」と「競技スポーツ演習」「スポーツ科学演習」を開講しています。全体で15のスポーツ種目が設けられており、その中の1種目としてゴルフの授業が設けられています。
今年度は前・後期各1クラスずつ開設され、定員は20名。毎回定員の3倍前後の受講希望者が出る人気で、コンピュータでの抽選となっています。
本学におけるゴルフ授業用の施設は、約10mの距離の取れる全38打席の専用練習場と、約30mの距離のアプローチショットとバンカーショット、並びにパッティングの練習ができるアプローチ・パッティング練習場があります。
この恵まれた施設を大学の授業だけでなく併設高校のゴルフ授業、そして大学・高校のゴルフ部の練習でも利用しています。
受講生はほとんどが初心者であり、将来ゴルフ場でプレーするための基本的なルールとマナー・エチケットを理解するとともに基本的な技術を身につけて、生涯スポーツとしてゴルフを楽しめるきっかけになることを目的として授業を計画しています。
7Iでティーアップしたボールを打つことから始めて5I、PW、SW、1Wそしてパターと、6本のクラブを使っての練習を段階的に行っています。3回目の授業からは、iPadやスマホの動画アプリを使ったスイングチェックも行い、身体感覚と動作の視覚情報とのズレをなくす工夫もしています。
体操競技を長くやってきたため、集団的あるいは対人的なボールゲームは苦手な方でしたが、自然の条件の中で静止しているボールに対峙してプレーするゴルフには、初体験の時からとても新鮮で大きな魅力を感じました。といっても、初めて本コースで経験したラウンドの時は、打てばゴロの連続でまともなショットはほとんどなく、5I・7I・PW・パターの4本のクラブのみを使いコースを走り回るという有様でした。でも、ほんの数回きちっと捉えられたショットの感触はなんとも言えない快感であり、ゴルフの面白さに引きこまれることになりました。
その後、30歳代からゴルフの授業を担当することになったこともあり、本格的に技術習得のための練習や指導法の勉強を重ねることでゴルフの奥深さと魅力をさらに感じるようになりました。
こうした自身の経験を基に、ゴルフの面白さ・楽しさを実感して、生涯スポーツとして長くゴルフに親しむ学生が一人でも多く出ることが、私の授業における願いになっています。
そのためにも、一人ひとりの学生の特性に応じた指導で技術を上達させることと、一緒にプレーするもの全員が楽しめるようにルールとマナー・エチケットを理解してゴルフに向き合うことの大切さを授業の中で伝えるように心がけています。
最初、どう動けば良いのか全く分からなかった学生が、徐々にコツをつかみ、たまにボールをクリーンヒットした時に見せる快心の笑顔。こうした「楽しさ」を積み上げていくことが、ゴルフを継続していくためのベースになると思っています。
今後は大学ゴルフ授業研究会主催の「Gちゃれ」等を利用して、受講生が授業の成果を本コースで確認する機会を設けることができればと考えています。
松本芳明(まつもと・よしあき)
1954年三重県生まれ。東京教育大学体育学部卒業。筑波大学大学院博士課程体育科学研究科単位取得満期退学。九州大谷短期大学を経て、1987年に大阪学院大学へ専任教員として着任。現在、大阪学院大学国際学部教授。
役職としてキャリアセンター所長を務める。中学時代から体操競技を始め、大学院時代まで継続。1980年〜2006年まで日本体操協会1種公認審判員、1985年〜1996年まで国際体操連盟公認国際審判員の資格を保有し、各種大会の審判業務に携わるが、現在は体操競技の現場からは退いている。
授業科目としては、「スポーツ(ゴルフ、卓球)」「比較スポーツ文化論」「スポーツ指導論」「スポーツサイエンス概論」「卒業研究Ⅰ・Ⅱ」「実践課題研究Ⅱ・Ⅲ」等を担当。ゴルフとの出会いは大学院3年の時に先輩に誘われて初体験。その後しばらくプレーの機会がなかったが、大阪学院大学に着任後にゴルフの授業を担当することになり、講習会等で指導法を学びながら技術を磨き、ゴルフプレーの面白さにはまる。
所属学会は日本体育学会、スポーツ史学会(現理事長)、日本ゴルフ学会(近畿支部会理事)、日本体操競技・器械運動学会(理事)など。専門の研究分野は「スポーツ史」。