※この記事は掲載元(月刊ゴルフ用品界 GEW)の許可を頂いて転載しています。
掲載元 月刊ゴルフ用品界 2019年11月号(見本誌の申し込みはこちらから)
■東海大学
東海大学海洋学部は1962年に、「日本で唯一の海洋に関する総合学部」として清水・三保に開設されて以来、一貫した教育体制のもと、有能な人材を多数輩出してきました。
開設当時の日本は、海洋の科学的研究と開発に対する体制が皆無に等しい状態であったことから、本学部は、資源・エネルギー問題や人口増加に伴う食料問題など、人類が抱える諸問題の解決を図るとともに、問題解決能力を有する知識と技術を持った人材を育成することを理念に掲げてきました。
(http://sdb01.scc.u-tokai.ac.jp/about/index.htmlより参照、抜粋)
清水教養教育センターの基本的な役割は、多様な学習歴を持つ入学者に対して、上のような教育目標をより具体的で円滑に理解・実践してもらうと共に、各学科での学習や卒業後の社会で求められる種々の素養の基礎を育む拠点です。
可能な限り幅広い分野について教授できるよう、授業運営にはセンター専任教員はもちろん、海洋学部や他学部(他校舎)の教員、非常勤教員が参加しています。
また、当センターでは教育分野ごとに「総合教育部門」「保健体育教育部門」「外国語教育部門」「基礎教育部門」の4部門で構成されています(https://www.u-tokai.ac.jp/about/research/ facilities/shimizu/より参照)。
清水校舎では、バレーボール2面が取れる広さの体育館2階のフロアを使用しています。
フロアの真ん中には、フロアを半分に仕切ることができる防球ネットが設置されています。ネットから両端に向かい、5m、10m、15mと打席を設定し、ネットに向かって打つ練習をしています。
サッカーコートが一面を裕に取れる土のグラウンドを保有していますが、ゴルフボールの回収を考え、体育館のフロアで行っています。また、雨天時での実技実施が可能である体育館フロアでの開講をしています。授業回数を重ね、ある程度、ボールを打てるようになったときに開放感があるグラウンドに出て、授業を開講しています。受講生の定員は20名と設定しており、10打席を準備しています。学生のほとんどは、クラブを持ったことがない初心者です。
ゴルフとの出会いは、青山学院大学の助手時代に得たゴルフ授業の補助の機会でした。
それから、20年が経ち、2018年度より担当されていた非常勤の先生が本務校の都合で担当できなくなり、私がゴルフの授業を担当することになりました。
担当に決まり、すぐに練習場で確認しました。まずは、見本を見せられるように練習しました。
いざ、学生の前で見本を見せると、ダフってしまい、学生に苦笑されてしまいました。それから、練習場に足を運ぶ機会が増え、現在も練習に励んでいます。
私のスタイルは、学生に教えるというより、実践させて確認させることを重要視して、授業を進めるものです。
どのスポーツにおいても、実践者の感覚を主体とする必要があると思っています。
型にはめても、うまくいくものではない。学生には、自分で自分の身体と向き合わせながら、確認させ、力加減を調整させて、再現させてみることを繰り返しています。
しかし、コーチングする上で必要なポイントをまだまだ整理できていないことが大変歯がゆいです。
意識させるところ、意識させないところを効率よく気づかせていくことができるようになりたいと思い、毎回の授業で学生のスイングを観察しています。
ゴルフは、自分自身と向き合うこと、自分の心と向き合うこと、自分の身体と向き合うこと、自分の動きと向き合うことの機会を与えるスポーツであると思います。
『初めてクラブを握り、ボールに当ててみる。スイングを少しずつ大きくしていく。徐々に思い通りにクラブがボールに当たることが少なくなる。でも、また気持ちを整え、挑戦する。そして、偶にいい感じでボールが飛ぶ。1回当たったからといって、次当たる訳でもない。全然当たらないから練習しないとなると、1回も当たらないから続ける』。
この経験が大切であると思います。このサイクルを経験することは、大学生の年代に、自分自身を理解する機会として利用できるため、ゴルフというスポーツを1人でも多くの学生たちに経験してもらいたいと思っています。
そうすると、ゴルフの奥深さを、身を持って感じ、ゴルフへの興味を深めてくれると思います。
東海大学 清水教養教育センター 准教授
加藤 譲(かとう・じょう)
1973年愛知県生まれ。中学卒業後、単身アルゼンチンへサッカーおよび語学留学(1989年3〜12月)。
愛知県私立中京高等学校(現:中京大学附属中京高等学校)卒業。
東海大学体育学部卒業。東海大学大学院体育学研究科体育学専攻修了(体育学修士)。
青山学院大学文学部体育実技助手、アルビレックス新潟ユース監督(2002~2004年シーズン)、大学非常勤講師を経て、2010年東海大学専任講師着任。現在、同大学清水教養教育センター准教授。
自己学修科目として講義「健康・スポーツ概論D ライフステージと健康」及び生涯スポーツ理論実習、健康フィットネス理論実習、スポーツ12、アウトドアスポーツ1234を担当する。担当する実技種目は、ゴルフの他、フィットネス、フィンスイム、フィッシング(集中)、ダイビング(集中)、スノーボード(集中)である。