大学ゴルフ授業研究会

我が大学のゴルフ授業36 ~雪国で生涯スポーツとしてゴルフを楽しむ~吉川 昌則(青森大学)

※この記事は掲載元(月刊ゴルフ用品界 GEW)の許可を頂いて転載しています。

掲載元 月刊ゴルフ用品界 2019年12月号(見本誌の申し込みはこちらから)

大学の紹介

■青森大学
青森大学は、昨年で開学50周年を迎えました。この間、「豊かな人間性と基礎学力に裏打ちされた実践的な教育」「学生中心の大学」「地域とともに生きる大学」という基本理念に基づいて大学運営を行い、多くの有能な人材を輩出し、総合経営学部、社会学部、ソフトウェア情報学部、薬学部の4学部を擁する総合大学へと発展できました。

環境が変動する中で、開学100周年に向けて一層の発展をするべく、ワクワクと学ぶことができる環境を整備し、豊かな人間性と挑戦する心を持ち、より高い実践的能力とリーダーシップを有する人材を育成するとともにグローバル化した世界のなかで地域社会の持続的発展に貢献する役割を目指しています。

授業風景

本学のゴルフ授業は本年度からスタートしました。青森市は雪国であるため、ゴルフ場は冬期間閉鎖になります。このことから、本学ではゴルフをシーズンスポーツAとして集中授業にて開講しています。

ゴルフ授業の目的は、基本技術の修得とゴルフのルールやマナーなど、ゴルフを行う上で必要な知識や態度も学んでもらうことと同時に、楽しさを感じてもらい生涯スポーツの一つと捉えてもらうことです。

ゴルフ授業は体育館内にて、人工芝マットを敷いた上に練習用マットを置いて、プラボールを用いて実施しました。漠然と打つよりも、目標物を設置した方が学習効果は高いと考え、常に傘を目標として利用しながら行いました。

体育館内での授業風景

また、随時タブレットで動画撮影を行い、スイング等の確認、改善に取り組みました。1回4時間程の授業でしたが、目標位置や距離を変えるなどしながら行うことで、飽きること無く実技に取り組む事ができたと思います。

授業期間の後半には、キャンパスから車で20分ほどにある青森カントリー倶楽部のご協力の下に、屋外の練習場で実球を使用した練習が出来ました。学生達は体育館内で打つプラボールよりも、屋外で実球を打つ方が気持ち良いと感想を言っていました。

最終日には、アプローチ、バンカーとパッティングも練習させていただき、学生達には大変好評でした。来年度はGちゃれ等、少しでもコースを回れるようなプログラム構成にしたいと考えています。

先生の気持ち

本学におけるゴルフ授業は本年度からスタートしました。10年程前までは、生涯スポーツの体験学習として半日だけのゴルフプログラムを実施していました。その後、シーズンスポーツAを担当していた教員の退職に伴い、本格的にゴルフを授業として取り入れたいと思い始め、全国大学体育連合(大体連)を通した日本ゴルフ用品協会からのクラブ無償提供という追い風もあり、何とか開講にまでこぎつけることができました。

同時に、一昨年度より大体連主催のゴルフ研修に数回参加させていただき、自分でも何年かぶりのゴルフ練習場やコースラウンドを行いながら、ゴルフ授業の準備を進めてきました。

ゴルフの楽しさは、実際にラウンドすることだと思います。ただ、そのためには最低限の技術が必要になりますし、ルールやマナーなども身につけておかなければなりません。

青森カントリー倶楽部練習場での授業風景

どのスポーツも同じですが、最初にそのスポーツにどのように接するのか、技術をどのように学ぶのかは大変重要になります。限られた環境の中で、基本を大切にしつつも、多様性を練習に取り入れながら、楽しくモチベーションを保ちながら授業を展開出来るように心がけています。

ラウンドができるGちゃれ開催を目指し、日本ゴルフ場経営者協会大石専務理事のお力添えもあり、キャンパスからほど近い青森カントリー倶楽部のご協力が得られることになりました。

Gちゃれ開催のみならず、授業での倶楽部練習場の使用も提案していただきました。ご提案を受け、カリキュラムの後半にはレンジ、アプローチ、バンカー、パターと体育館内では行えない練習を授業に取り入れることが出来ました。受講した学生には大変好評で、室内でやるゴルフ授業よりも楽しい!という感想が聞かれました。この場をお借りして御礼申し上げます。

先生の紹介


■青森大学 総合経営学部 教授 吉川 昌則(よしかわ・まさのり)

青森大学 総合経営学部 教授
吉川 昌則(よしかわ・まさのり)

1965年生まれ。東京都立駒場高等学校卒業。日本体育大学体育学部社会体育学科卒業。秋田大学大学院工学資源学研究科博士後期課程退学。青森大学工学部ソフトウェア情報学部専任講師、青森大学社会学部専任講師、同准教授を経て、現在、青森大学総合経営学部教授。大学では「体育実技A・B」「シーズンスポーツA・B」「スポーツ実習Ⅰ・Ⅱ」「スポーツ社会学」「スポーツ指導論」「体育方法学(雪上スポーツ)」「体育実習(アルペンスキー)」等を担当。過去には「社会学専門演習Ⅲ・Ⅳ」「スポーツ心理学」、弘前大学教育学部非常勤講師として「サッカー実技」「スキー実習」を担当。

日本サッカー協会公認C級コーチ、フランス国家検定スキー教師資格を取得。ゴルフは社会人になってから趣味で始めたが、一昨年度より大学体育連合主催のゴルフ研修に数回参加。今年度よりシーズンスポーツAとしてゴルフ授業を開講し担当となる。来年度からは青森地域大学間連携協議会単位互換科目として開講予定。青森カントリー倶楽部のご協力を得ながら、よりよい授業を展開するように努力したい。

研究分野はスポーツ心理学(運動学習)、アルペンスキーの指導方法論と技術メカニズム。所属学会は日本体育学会、日本スポーツ心理学会、日本スキー学会(理事)、日本フットボール学会。