※この記事は掲載元(月刊ゴルフ用品界 GEW)の許可を頂いて転載しています。
掲載元 月刊ゴルフ用品界 2月号(購読申し込みはこちらから)
1847年京都御所の東側に公家の教育機関として学問所が設置され、1849年に孝明天皇より「学習院」の額が下賜されました。1877年、華族学校が神田錦町に開設され、明治天皇の勅諭によりかつて京都にあった学習院の名が継承されました。1949年に新制学習院大学が開学しました。学習院は、華族の学校として誕生し、戦後は私立学校として再出発する歴史を歩みました。学生生徒の個性を育み、国際的な視野の広さを養う教育は、創立当初から一貫して続けられています。学習院大学の5学部17学科、大学院6研究科、法科大学院が集うのは、都心でありながら緑豊かな目白のキャンパス。ワンキャンパス、少人数制教育ならではの、充実した教育環境となっています。
1972年香川県生まれ。香川県立観音寺第一高等学校卒業。東京学芸大学教育学部卒業。東京学芸大学大学院修了(教育学修士)。青山学院大学助手、青山学院大学非常勤講師を経て、2004年学習院大学専任講師着任。現在、同大学スポーツ・健康科学センター教授。総合基礎科目として講義「スポーツと健康を考える」及び実技「スポーツ健康科学Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ」を担当する。担当する実技種目は、ゴルフの他、体力トレーニング、ソフトボール、テニス、スノーボード(集中)である。
授業において取り扱う教材(スポーツ種目)の種目特性や技術構造を理解し、学生にどのように伝えれば技能が向上するのかといった指導法を明らかにしようと取り組んでいる。大学教養体育における視覚的なフィードバック方法の違いが、技能の向上や動機付けに及ぼす影響について興味を持っている。中学、高校、大学を通して陸上競技部に所属し、棒高跳び選手として活動した。学習院大学陸上競技部部長を務めている。
所属学会は日本体育学会、ランニング学会、日本コーチング学会、日本陸上競技学会。公益社団法人全国大学体育連合常務理事。
都留文科大学においても非常勤講師としてゴルフ授業1コマ(前期15週)を担当している。
本学では、「ゴルフ」の授業を、4コマを開講しています。私は、週一回の授業を2コマ(必修選択・通年30週)を担当し、集中形式学外授業では補助教員として携わっています。
週一回の授業は、学内の人工芝グランドで行なっています。フライトボール(プラスチック製)を使用し、ショートアイアンでのスイング作りやアプローチを中心に授業を展開していきます。授業の中盤からは、ターゲットバードゴルフ用の傘とフープを利用し簡易コースを設営して、模擬ラウンド体験させています。また、iPadを用いて、スイング動作のフィードバックを行ったり、雨天時には教室でDVD教材を視聴させながら動作のメカニズムについて解説したり、ゴルフの歴史や文化などについて話しています。
夏季休業中に実施される3泊4日の集中授業は、栃木県烏山城カントリークラブで行ないます。ゴルフラウンド経験者、学内授業受講生を中心に平均10数名の学生が受講します。
ラウンドを中心に、ラウンド前後の打球練習、アプローチ練習、パッティング練習を行います。ゴルフ場は、多くのスタッフの方々によって運営されています。また、会員の方々やビジターのお客様も多数利用されています。フロント、食堂、ロッカー室、風呂場、マスター室、練習場、コース、ホテル等、各所での注意点を伝えています。学生も、多くのことを学んでいると思います。プレー代、交通費、宿泊費等経済的な負担はありますが、プレーの楽しさやゴルフの奥深さ、ゴルフ場における社会性など多くのことを学ぶ機会となっています。
受講生全員を何とか上達させてあげたいと思っていますが、なかなかうまくいきません。最初は「空振り」「ゴロ」ばかりの学生が、ボールが浮き上がって30ヤードほど飛ぶようになると、私も嬉しくなります。学期の中盤から模擬コースでのラウンドを実施しますが、オナーの決め方、打球の順番、スコアの付け方などを指導します。自分勝手なプレーをすると、周りに迷惑をかけることや、前後の組にも配慮する必要があることなど、実際にゴルフコースでも重要となるエチケット・マナーについても学んでいると思っています。
指導法については、試行錯誤の連続です。大学体育連合や大学ゴルフ授業研究会の研修会や研究誌等で、多くの先生方と情報交換をしたり、授業実践の様子を学んだりすることは非常に有意義で、気づかされることや参考にさせていただくこともたくさんあります。学生にゴルフを教えることは、私自身がゴルフを学ぶ・ゴルフから学ぶ機会となっています。
週一回の授業では、最初の方は興味を持って取り組んでいた学生も、慣れて来るといい加減な練習を始めます。ラウンド経験がないので、距離の打ち分けやアプローチショットの多様性の意味がわからないからです。そんな時は、「学生をゴルフ場に連れて行ってあげたい」と思います。学内での授業を数週受講したのち、ゴルフ場でのプレーを経験すると、その後の授業でも真剣に練習に取り組んでもらえるのではないかと思います。
大学生に一日ゴルフ場体験をさせる「Gちゃれ」という企画は、試行中ですが非常に有意義であると思っています。本学の場合、「学内授業」→「Gちゃれ」→「学内授業」→「集中授業」を2年間位かけて経験するのが理想的なのではないかと考えています。受講生が社会人となってゴルフをする時、「あの授業が役に立った!」と感じてもらえるような授業を目指しています。